ZIPANG-4 TOKIO 2020 神々集う出雲大社 ‘‘神在月” のお祭りとは〜〝しあわせの御縁〟を結ぶ神々のサミット〜

はじめに 記事をお届けするに当たり、今夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な大雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が続き、国民として深く哀悼の意を捧げつつ…

 

全国の神々が令和元年11月6日~13日まで出雲大社に集まり、22日には出雲を去ります。

御本殿
「天下無双の大廈(二つと同じものが無い壮大な神殿)」と称えられる御本殿は、悠久の歴史の中でその度々の御造営遷宮と御修造遷宮を繰り返し、今にその姿を受け継いできました。現在の御本殿は延享元年(1744)に御造営されており、昭和27年に国宝に指定されました。

神楽殿
神楽殿は本来、千家國造家(出雲大社宮司家)の大広間として使用されており、「風調館(ふうちょうかん)」と呼ばれていました。明治に入り、出雲大社教が設立されてからは出雲大社教の神殿としても使用され、現在では國造家大広間、並びに出雲大社・出雲大社教の神楽殿として御祈祷や結婚式をはじめ様々な祭事行事が執り行われています。


昭和56年に出雲大社教が特立100年を迎えた折、現在の神楽殿として規模を拡張して建て替えられました。その大広間は270畳の広さを誇り、神社建築にはめずらしく正面破風の装飾にステンドグラスが使われています。


正面の大注連縄は長さ約13メートル、重さ5.2トンに及びます。この大注連縄は数年に一度、新しい注連縄へと懸け替えられます。そして、神楽殿前庭には高さ47メートルの国旗掲揚塔が聳え立ち、揚げられる国旗は75畳(タテ8.7メートル・ヨコ13.6メートル)の大きさです。


また、神楽殿後方には出雲大社宮司家の祖先神や天満宮などをお祀りした鎮守社が並び、国旗掲揚塔の南には祓社、金刀比羅宮が並んでお鎮まりです。

手前から銅鳥居、拝殿、御本殿
銅鳥居は、出雲大社の神域の荒垣正門にたちます。この碧銅の鳥居は、寛文六(1666)年六月毛利輝元の孫綱広の寄進になるものです。


現在の拝殿(はいでん)は、昭和34年5月に竣功しました。通常は参拝者の御祈祷が行われ、古伝新嘗祭等のお祭の他、さまざまな奉納行事が行われます。


拝殿宇豆柱の礎石は、愛知県の岡崎石(重量13トン)が運ばれ、工事請負は、桃山時代から長く棟梁の家として続いた伊藤平左衛門氏があたられ、拝殿の錺金具も美術的にも価値あるものをとの考えから、東京芸術大学の山脇洋三・若林作司両教授が設計されました。


八百萬の神々と共に ~ 神 在 祭 ~

御神像 境内の入り口手前右手の出雲大社主祭神、大国主大神の「ムスビの御神像」。
左手には「御慈愛の御神像」をご覧になれます。


遙かな昔、大国主大神様は国づくり・人づくりをなされ、数限りない私たちの祖先に、より良い暮らしをとのさまざまな業(わざ)をお教えになりました。そして、この国は天照大御神様のご子孫が治められるようにと、国譲り(奉還)なさいました。


この時に、私たちの住んでいる目に見える顕事(あらわにごと)※の世界は天照大御神様が、私たちが授かり生かされるイノチ・タマシイのことなど人智の及ばない目に見えない神事(かみごと)の世界は大国主大神様が分担して治められることになりました。

※顕事(あらわにごと)とは 「書紀」では「顕露、此をば阿羅播弐(アラハニ)と云ふ」として名詞と解し、後世「あらはにのこと」と訓読したところから生じた語。ーコトバンクより  


以来、目に見えない神事(かみごと)の世界を主宰(しゅさい)される大国主大神様は生きとし生けるものの幸栄(さきはえ)のために「むすび」の御霊力をお授けになっております。


その〝おはたらき〟により大国主大神様がお鎮まりになられる出雲大社には、1年に1度全国の神々がお集いになり、さまざまな「縁結」のお話し合いをなされます。


この「縁結」とは男女の縁はもちろんですが、さまざまな人と人、人と物などのあらゆるつながりである「むすび」を意味しています。大国主大神様を〝縁結の大神様〟 と申し上げるのも、神々の会議を主宰なさる大神様だからです。


この神議(かみはかり)は旧暦10月に行われますので、古くより出雲では旧暦10月のことを「神在(かみあり)月」と呼んでおります。


そこで、出雲大社では旧暦10月10日の夜に「神迎神事・神迎祭」、旧暦10月11日から17日までの1週間は「神在祭」を奉仕いたしております。


出雲大社“神々のお集い”は、令和元年11月6日夕刻~11月13日夕刻

八百萬の神々が出雲大社へ集われ、様々な縁結びの神議り(かみはかり=会議)をなされる神在祭の諸祭事が賑々しくお仕えされます。背景には拝殿…


神在月


一般に旧暦10月を「神無月」と申しますが、これは全国の村々里々にお鎮りの神々が、1年に1度、目には見えない「神事(かみごと)」を司られる「大国主大神」さまがお鎮りになります出雲大社にお集いになられ、人々の“しあわせ”の御縁を結ぶ会議「神議(かみはかり)」がなされる故事に由来します。


それゆえ、古くより出雲地方では旧暦10月は神さまがお集いになられる月ですので「神在月(かみありづき)」と申しております。


神迎(かみむかえ)神事

神迎祭


全国の神々が出雲大社にお集いになられる“出雲神在”。
出雲大社の西方約1キロの稲佐の浜では全国の神々をお迎えする古式豊かな「神迎(かみむかえ)神事」が執り行われます。この神秘の神事の後、ご到着された神々は御使神「龍蛇(りゅうじゃ)神」さまをご先導として出雲大社まで御神幸なされます。そして、神楽殿にて奉迎の神迎祭がお仕えされます。


 神在祭

令和元年11月7日(神在祭)午前9時

令和元年11月11日(神在祭・縁結大祭)午前10時

令和元年11月13日(神在祭・縁結大祭)午前10時


出雲大社の御祭神でいらっしゃいます「大国主大神」さまは目にはみえない「神事(幽事)」を主宰される大神さまであり、人々の“しあわせ”の御縁を結ばれる神さまとして広く世に知られています。「神在祭」ではお集いになられた神々の大会議「神議(かみはかり)」の主宰をおつとめになられます。”神在”期間中には神々のご先導をおつとめになられる「龍蛇神」さまの奉拝がなされます。また、神々の会議場となります上宮(仮の宮)では日毎にお祭りがお仕えされます。


縁結大祭

盃に神の心をくみそえて うながけります事な忘れそ


令和元年11月11日(神在祭・縁結大祭)午前10時
※11月11日の縁結大祭は定員に達したため締め切りとなりました。ご了承ください。

令和元年11月13日(神在祭・縁結大祭)午前10時

定員 2000名

祭場 出雲大社御本殿


神在の日のおまつりに併せて「縁結大祭」を斎行致します。この「縁結大祭」に参列なさり、大国主大神様の「むすびの御力」を戴かれ「幸栄(さきはえ)の縁(えにし)」に結ばれますようお祈り申し上げます。


「縁結大祭」の お問い合わせ

出雲大社社務所 TEL:0853-53-3100


龍蛇神講大祭

令和元年11月7日 午前11時


「神迎祭」の翌日、御本殿での「神在祭」の後、午前11時より神楽殿において御使神「龍蛇神」さまの奇しき“おかげ”に結んでいただく「龍蛇神講大祭」が斎行されます。


神等去出(からさで)祭

令和元年11月13日 午後4時


人々の“しあわせ”の御縁を結ばれる大会議「神議」もめでたく結ばれました11月13日、午後4時。遥々、全国よりお集いになられた神々に謝恩の祈りを捧げ、出雲大社からの御出立をお送りする「神等去出(からさで)祭」が拝殿において斎行されます。


神々はご宿処の東西の十九社より拝殿にご遷座され、おまつりがお仕えされます。神々は神職の「お立ち~!」との高声とともに出雲大社をお立ちになられます。
“出雲神在”の御神恩に感謝の祈りを結ばれて、神々をお送り下さい。


神在祭・夜神楽祈祷

令和元年11月7日~12日 午後7時より。

“神在”期間中、神楽殿では皆様の“しあわせ”の御縁を結ぶ様々な御祈願のおまつりの「夜神楽(よかぐら)祈祷」がお仕えされ、皆様の“出雲神在”に結ばれる祈りをお取りつぎいたします。“出雲神在”の佳き日にぜひとも奇しき御神縁に結ばれる御祈願にお参りいただき和楽豊栄の暮らしに結ばれ下さい。 

「夜神楽祈祷」のお問い合わせ 神楽殿 TEL : 0853-53-2063


祭場


「神在祭」期間中にお仕えされる祭場の ご案内をいたします


祭場のご案内 


出雲大社と同じ旧暦で神在祭が奉仕される神社

朝山神社【出雲市朝山町】
旧暦10月1日~10月10日(令和元年は10月28日~11月6日)
日御碕神社【出雲市大社町日御碕】
旧暦10月11日~10月17日(令和元年は11月7日~11月13日)
熊野大社【松江市八雲町熊野】
旧暦10月11日~10月26日(令和元年は11月7日~11月22日)
万九千神社【出雲市斐川町併川】
旧暦10月17日~10月26日(令和元年は11月13日~11月22日)


旧暦出雲の〝神在社〟である出雲大社・日御碕神社・朝山神社・万九千神社・熊野大社を巡拝していただき、皆様が幸縁に結ばれますことを祈り、五社に旧暦神在月の10月中(本年は10月28日より11月26日まで)巡拝帳とスタンプを設置します 。

八百万の神々が集う旧暦出雲の〝神在社〟をどうぞ巡拝下さい。


出雲大社についてさらに詳しくは下記のリンク記事をご覧ください。


ZIPANG-2 TOKIO 2020
「 八雲立つ出雲の国が神の国 ~出雲大社~ 八百萬の神々と共に 」


ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~ 出雲大社『遷宮渡し』~
「さらにより良き御遷宮をの思い 平成31年3月までに…新元号、4月1日に事前公表へ 」


ZIPANG-2 TOKIO 2020 ~ 石州瓦物語(外伝)~
「石州瓦は赤瓦だけじゃない!『ブラタモリ 出雲(いずも)』【寄稿文】佐々木啓隆」



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略)

出雲大社 〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東195 TEL.0853-53-3100


※現在、2250件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


ZIPANG-8 TOKIO 2020 (VOL-8)
https://tokyo2020-8.themedia.jp/


ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
https://tokyo2020-7.themedia.jp/


ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/


ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/


ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/


ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/


ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/


ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/



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ZIPANG-4 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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