いま天地を分けた重たい扉が開かれた。
イーハートーブの世界へ向かって新しい旅が始まる
・・・さあ~共に進もう!
天まで届きそうな杉木立・・・
この道の果には尖った三角形の天空が突き刺さっているようだ。この厳かな杉林トンネルは若しかすると、異次元世界への道標かな〜?
多分その向こうには、観世音菩薩様かマリア観音様が鎮座される補陀洛があるのかも知れない・・・
小岩井と言えば、先ず小岩井農場のことを思い出します。今や、牛乳製品のメーカーとして、全国規模のスーパーや地域のコンビニに至るまで、このブランド名は小生の頭の中ではNO.1の高級感イメージが伴なっているのです。
それってやはり、宮沢賢治の影響もあるのかも知れませんね。
かれこれ5 0年も前のことでしたか…夏休みに一週間ばかり利用して、4人仲間とユースホステルを利用しながらの今風、青春きっぷの旅でした。
岩手山を背景としたこの場所の雄大な眺望に加えて、バスに揺られ、農場入口に辿り着くアクセス道は美しい森林地帯を走り抜けたのですが、殆ど人家も疎らな中にも所々に見え隠れする洋館風の関連施設なのか ?それらがまた大変エキゾチックに映るのです。
日本は山国、そして瑞穂の国なので、平地に森林等があれば立ちどころに水田と化してしまうので、森の中を真っ直ぐに道が続く風景と言うものは真に珍しいのでは…?
だからグリム童話なんかでは森の中を迷ってオオカミが化けたお婆ちゃんの家に泊まり、食べられそうになったり…こんな物語を日本の子供等は何ら抵抗なく、 想像力を目一杯働かせて、 山奥の一軒家に置換え、怯えたりしてたモンです。
でもイラスト付きなので、それなりに怖いけど、トンガリ屋根の石造りの洋館が見えたりすると、忽ち憧れが優ってロマンチックな雰囲気に浸れたのです。
確か、賢治氏は洋行されていなかった筈ですが、様々な文献で西洋文化に相当な憧れを抱いて居られたに違いない?と拝察しております。
当時の我々だって同様。第2次世界大戦の敗戦国となり、大変貧乏な時代を過ごしていた訳で、例えば高度成長期を支えた我ら団塊の世代族は1970年初期、驚くなかれ大卒初任給は平均3万9,900円だったのです。
それ以降、家族だんらんや遊び等を忘れ、環境汚染の空の下、ウサギ小屋に住み ワーカーホリック(働き虫)となったなど、世界から奇蹟とも、半分は揶揄されながら、給料も毎年倍増でしたから、これも急成長の "オドロ木桃の木" ‼こんな時代を経て今がある・・・ 当時ヨーロッパへの渡航費は1965年4月10日に出発した「ジャルパック/ヨーロッパ16日間コース」は67万5000円だったそうです。
この年、国家公務員の初任給は僅か1万9100円でした。 海外旅行なんて生涯行けるかどうか?夢のまた夢でしたね〜! さて、肝心の宮沢賢治氏の伝えたたかったこととは……? 幸いにもご協力先の小岩井農場様からは沢山の貴重な画像をご提供頂きました。 宮沢賢治氏は、こんな素晴らしい環境の中で夢を膨らませて数々の美しい永遠の"イーハートーブ" 心の中の理想郷を私達に残されました。
これからワクワクしながら謎の "イーハートーブ" を ご一緒に探って参りましょう。
(案内人 鎹八咫烏)
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いま世界的に新型コロナパンデミックの真っ只中ですが、日本ではこれに追討ちをかけるように、7月初旬には「令和2年集中豪雨」と命名された災害で熊本県や岐阜県において沢山の方々が犠牲者となられ、大きな被害を蒙ったばかりです。
この度は9年前の東日本大震災において未だ復興途上にある三陸地域のニュースをお届けするに当たり、改めて犠牲となられたすべての方々へ謹んで哀悼の意を捧げるものです。
合掌
編集局記
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宮沢賢治が見たイーハートーブの原像こそは
小岩井農場の景色にあり⁉・・・
宮沢賢治
小岩井農場が登場する作品
● 童話
「狼森と笊森、盗森」「おきなぐさ」「耕耘部の時計」
● 詩
「小岩井農場」「秋田街道」「遠足統率」「春谷暁臥」「母に云ふ」
● 文語詩
「塔中秘事」「青柳教諭を送る」
小岩井農場の季節はめぐる
残雪と真白い雲の冠を被った、大自然界の王様に、羊たちもご挨拶。
長者館放牧地 星と自然館前に広がる羊の放牧地。
4月下旬~11月上旬まで放牧しています。
あんなに沢山あった入道雲は、一体何処に行ったのかな・・・秋はもうそこまで来ているようです…気が付いているのかな~牛さんたちは牧草に夢中です
「上丸牛舎」
小岩井農場の酪農発祥の地。
明治~昭和初期に建てられた牛舎群団は世代交代しても今なお現役のパリパリです。
天然原生人?森の妖精たちの楽しい悪戯なのか…?いえいえ、アフリカの奥地には、今でもこのような人たちが潜んでいるのです。森の民と呼ばれ、つま先から頭まで木の枝や、花や、葉や、つる等で覆い、誰が観ても植物と一体化して見分けが付かない・・・小岩井農場にもいたのですね~⁉
冬の一本桜は美しく、雪原に佇む凛とした姿に人々は勇気づけられます。
そして・・・
やがて・・・岩手山の雪が解け始め、真白な蝶やちいちゃなちいちゃな貝殻の様な羽の蝶が、風に流されながら、それでも精一杯に羽を動かし、針葉樹の葉より細い突起で、春の花の蜜を吸い始める頃やっと、岩手山の頂にも春の便りが届くのです・・・
小岩井農場の一本桜
明治40年代に当時、放牧していた牛の日除けのために植えられたものでした。
小岩井農場の歴史
小岩井という名前は、小野、岩崎、井上、
3人の名字から1字ずつ取って作られたものです。
創業者の思い
人々のあくなき挑戦が不毛の大地を
緑豊かな農地に変え、
次世代の環境技術を生み出すまで。
120年余りの歴史を紹介いたします。
植林地(明治時代)植えられたばかりの苗木が一面に広がる、初期の山林風景です
岩手山麓に広がる不毛の原野
1888年(明治21年)6月12日。この日、盛岡を訪れていた明治政府の鉄道庁(当時は鉄道局)長官、井上勝は、眼前に広がる岩手山の南麓に広がる風景に目を奪われていました。それは、木もまばらな不毛の原野でした。奥羽山脈から吹き降ろす冷たい西風のなか、ススキや柴、ワラビなどが散在する火山灰地を前に、井上は、この荒れ果てた土地に大農場を拓くという、かつて誰も抱いたことのない夢を抱いたのです。
鉄道の父
井上勝は、日本の鉄道の父と言われる人物です。幕末の動乱期にイギリスに密航した伊藤博文、井上馨ら5人の長州藩士、いわゆる長州ファイブの一員で、近代土木技術、鉱山学などを学びました。帰国後は、1872年(明治5年)の新橋-横浜間の日本最初の鉄道敷設を始めとして、東海道本線、東北本線など、数々の鉄道工事で陣頭指揮にあたり、日本の鉄道事業の基礎を作ったのです。盛岡を訪れたのも、東北本線の延伸工事視察のためでした。
小岩井農場の創業者
小野義眞(おの・ぎしん)
(1839~1905)
日本鉄道会社副社長。土佐藩(高知県宿毛市)出身。藩政時代は郷里の大庄屋であったが、維新後官途につく。退官後、三菱の創業者岩崎彌太郎の知遇を受け、その代理として三菱のために各方面に活躍する。日本鉄道会社には三菱を背景として参画し、後に社長となる。
岩崎彌之助(いわさき・やのすけ)
(1851~1908)
三菱社社長。土佐藩(高知県安芸市)出身。三菱の創業者・岩崎彌太郎の実弟。1885(明治18)年、彌太郎没後、三菱の第二代社長となる。海運から鉱山・炭鉱・造船・金融・不動産などに進出し、三菱の事業の多角化を図る。1896(明治29年)年から2年間、第四代日銀総裁も勤めている。
井上勝(いのうえ・まさる)
(1843~1910)
鉄道庁長官。長州藩(山口県萩市)出身。幕末、伊藤博文(後に総理大臣)らと共に英国に渡り、鉱山・鉄道などの工学を専修した。帰国後は明治政府の鉄道頭となり、東海道線や東北本線などの幹線鉄道を完成させた。1893年 (明治26年)鉄道庁長官を退くまで二十数年に亘り鉄道事業の育成に尽くし、退官後、鉄道視察に赴いたロンドンで客死。
小岩井農場の挑戦
人工的に創られた小岩井農場の森林
自然と共存する技術
120余年にわたる生産農場としての歴史の中で、小岩井農場は、一貫して自然との共存を図ってきました。例えば、小岩井農場の面積の2/3を占める森林は、人工的に作られた植林地です。100を超えるエリアそれぞれに適した樹を植え、計画的な間伐、枝打ちを休むことなく続けることで、樹木資源を減少させることなく活用できる山林を維持してきたのです。
現在、小岩井農場の森の中では、オオタカ、ハヤブサ、フクロウといった猛禽類、ツキノワグマを頂点とする多様な生態系を確認することができます。この豊かな自然環境を創出してきた小岩井農場の技術は、今さまざまな分野で活用されています。
人工地盤緑化技術「東京交通会館屋上緑化」
環境緑化エンジニアリング
環境対応が地球的規模で改善を求められている中で、小岩井農場で培ってきた技術をベースに、都市空間においても人と共生する新しい自然の形を創り上げ、環境の維持・復元・改善・創造を図る環境緑化エンジニアリング事業を積極的に展開しています。
都市部のヒートアイランド現象に対する対策となる人工地盤緑化技術をはじめ、河川や水路などの水辺の環境保全を担う水辺緑化技術、湿地による水質浄化機能を応用した人工湿地システムなど、環境問題に対応するさまざまな環境緑化技術を提案しています。
㈱バイオマスパワーしずくいし全景
バイオマス発電・堆肥化プラント「メタン発酵発電施設」
バイオマス技術
森林バイオマスはカーボンニュートラル※という観点から、そのエネルギー利用が注目されています。
農場内のバイオマス発電・堆肥化プラントでは、農場内の家畜排泄物や食品工場の加工残滓から得られるメタンガスを利用した発電が行われています。発電する工程で出てくる液肥や堆肥は耕地に還元することで、持続型・循環型農業を実践しています。
※カーボンニュートラル
環境省 カーボン・オフセットの定義
市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいいます。
カーボン・ニュートラルについて
カーボン・ニュートラルとは、カーボン・オフセットの取組を更に深化させ、事業者等の事業活動等から排出される温室効果ガス排出総量の全てを他の場所での排出削減・吸収量でオフセット(埋め合わせ)する取組です。
環境省 カーボン・ニュートラルの定義
市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの責任と定めることが一般に合理的と認められる範囲の温室効果ガス排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部を埋め合わせた状態をいう。
仁沢瀬牧草地を望む
ご参加の皆さん森の木陰で、いただきま~す!
ご参加の皆さん雨ニモ負ケズサワガニ探し
環境教育
小岩井農場の自然の素晴らしさを体感いただく中で、環境保全の大切さに気づき、環境への理解と関心を深めていただくためのプログラムを実施しています。
「ツアープログラム」※と「団体向けプログラム」※を設け、それぞれに趣向を凝らしたプログラムをご用意。自然と戯れ楽しく遊ぶ、環境保全についての専門的な知識を学ぶなど、幅広いプログラムがお選びいただけます。
小岩井農場の始まりとは.・・・
※ツアープログラム
四季折々の自然を体験するコースや小岩井農場の歴史を楽しみながら学ぶコースなどをご用意しています。多様な生態系を育んでいる小岩井農場の自然や宮澤賢治の作品にも登場する明治期からの歴史的建造物などを探訪。自然の素晴らしさや大切さが実感でき、どなたにも気軽にご参加いただけます。
初めて出会った小学生45人が大きな輪になって「よろしくね!」
※団体向けプログラム
持続型・循環型農業を実践してきた小岩井農場の事業運営の実績やノウハウをご紹介するコースです。120年にわたる農林畜産の生産活動を通じての環境共生への取り組みなど、「小岩井農場型」環境保全やその意義を専門職員と共に見学・学習します。環境問題に興味をお持ちの方だけでなく企業や学校向けのプログラムとして、多くの皆さまがご参加いただくことが出来ます。
小岩井農場
交通アクセス
〒020-0507 岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-1
TEL:019-692-4321 / FAX:019-692-0303
お車でお越しの方
東北自動車道 盛岡ICより約15分(12㎞)
国道46号を秋田方面へ → 「繋(つなぎ)十文字交差点」を右折 → 小岩井農場まきば園
カーナビで目的地検索をされる際には、マップコード「81 872 669*6」または電話番号「019-692-4321」をご入力ください。
新幹線(東北・秋田)・電車(田沢湖線)でお越しの方
東北・秋田新幹線
バス・タクシーでお越しの方
路線バス
盛岡駅前「10番」乗場より「小岩井農場まきば園行き」バス乗車(約17km 約35分)
運賃:大人¥710 子供¥360 (令和元年10月現在)
※当面運休
路線バスについてのお問い合わせはこちらのお電話まで!
岩手県交通(株)雫石営業所 (019-692-3212)
※小岩井駅より路線バスをご利用の場合、JR田沢湖線との接続の関係上、お待ちいただくことがあります。
タクシー
小岩井駅より約10~15分(約6㎞)
料金:¥2,000程度(目安ですので交通事情等により変わります。)
タクシーについてのお問い合わせはこちらのお電話まで!
(有)雫石タクシー (019-692-3131)
徒歩
小岩井駅より約80分(約6㎞)
飛行機でお越しの方
高速バス
盛岡駅まで約45分
いわて花巻空港 → 盛岡駅
エアポートライナー
予約制の格安乗合タクシーです。詳しくは「いわて花巻空港」にて。
レンタカー
空港より東北自動車道経由で約50分
いわて花巻空港→花巻空港IC→盛岡IC→小岩井農場まきば園
続く・・・
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
小岩井農牧株式会社
〒020-0507 岩手県岩手郡雫石町丸谷地36番地1 TEL:019-692-6027
宮沢賢治の店 株式会社 林風舎
〒025-0092 岩手県花巻市大通り1丁目3-4 TEL 0198-22-7010
日原もとこ(色紐子)
東北芸術工科大学 名誉教授 風土・色彩文化研究所 主宰 まんだら塾 塾長
環境省 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館 TEL 03-3581-3351
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