はじめに 記事をお届けするに当たり、今夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な豪雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が発生。やりきれぬ国民的ショックも癒えぬ中、重ねて2019年12月4日、アフガニスタン東部で長年医療と共に当地に用水路を完成させた国民的英雄、中村哲医師の暗殺事件が続きました。余りにも大き過ぎる一連の悲報に暮れた昨今です。今私達は世界平和の為に何が出来るか…?貴方が遺した後姿から一人ひとりが何かを学び取り、その実践こそが御恩返しに繋がるものと思います。謹んで哀悼の意を捧げつつ。合掌
北前船の国内最大1/2スケールの模型船が日和山公園で見ることができます!
江戸時代、酒田をはじめとする日本海の港や北海道の港から江戸や大阪に、米や魚、特産物などが船で運ばれていました。
船は津軽海峡を通り江戸へ向かう東廻り航路と瀬戸内海を通って大阪、江戸へ向かう西廻りの航路があり、西廻りの航路を走る船を北前船と呼ぶようになりました。
東廻りの航路では太平洋側を北へ向かう黒潮の流れに逆らって進む必要があるため、西廻りの航路の方が荷物を安く運べ盛んに利用され、酒田は北前船の寄港地として「日本の中心!?」と言われるほど繁栄した歴史が随所に残っています。
北前船は単に荷物の運搬をしていたわけではなく、寄港地で安くて良い品物があれば買い、船の荷物に高く売れる物があればそこで売る。さまざまな商材を取り扱い「商売」をしながら日本海を航海する、まさに「総合商社」と言える船です。
また、北前船は「米を1千石(150トンの米)積むことができる大きさ」という意味から千石船ともよばれ、北前船史上最大の船は、2400石も積むことができ、巨大な帆1枚で逆風でも進むことができる、すぐれた帆走性能のある船です。
一攫千金の北前船ドリーム
本間美術館
本間家が大名から拝領した品などを展示
北前船で大阪と北海道を1往復すると、千両(今の価格で6000万円~1億円)もの利益を得られたと言われています。お金を貯めて自分の船を持ち大金持ちになるということも夢ではありませんでした。
武士が頂点の身分制度がある時代でも、チャンスをつかむことのできる可能性はまさに北前船ドリーム。
多くの遭難記録が残されていますが「夢」を追う船乗りは絶えることはなく、成功者の功績と繁栄がいたるところで見ることができます。
井原西鶴の「日本永代蔵」に「北の国一番の米商人」と描かれた鐙屋や、日本一の大地主になった本間家の功績をたどってみてはいかがでしょうか。
文化も運んできた北前船
酒田の民工芸品「紅花染」
北前船は荷物と共に様々な文化も運びました。食文化でいうと北海道の上質な昆布によって、西日本では和食の基礎ができたと言っても過言ではありません。
酒田においては米以外に紅花を積み、帰りの荷には、その紅花で染められた雛人形や京友禅などの京の文化を運んできました。
「紅一升金一升」といわれるほど高値で取引され、一級品として名を馳せた出羽の紅花は、お米と並び酒田の商人に多大な富を築いたといわれています。
紅花染は酒田の民工芸品として有名です。
由緒ある雛人形を一斉展示
酒田の豪商たちは競って京都から豪華なお雛さまを買い、北前船の帰り荷に積みんだことから人形の数、質においては他の地域を圧倒する雛人形が酒田の旧家に残され保管されています。
酒田市では3月1日から4月3日まで「酒田雛街道」を開催しています。江戸時代の享保雛や古今雛などを14カ所の観光施設等でご覧いただけます。
酒田雛街道〜湊・酒田の雛めぐり〜
かつて江戸や京都、大坂(現大阪など)との交易で賑わった湊町酒田には、北前船により運ばれてきた、由緒ある雛人形が数多く残され、大切に保管されてきました。酒田の旧家に伝わるお雛様は、非常に贅を尽くしたものが多いといわれています。
開催期間中、江戸時代から大切に受け継がれてきた由緒ある「雛人形」や、地元に伝わる素朴な「鵜渡川原人形」、さまざまな飾り物に願いを込めた「傘福」などを華やかに展示します。
※詳しくは後日ご紹介いたします。
北前船で富を築いた豪商達も愛した料亭文化
江戸時代から酒田を代表する料亭であった「相馬屋」。木造の主屋は、明治27年の庄内大震災の大火で焼失してしまいましたが、残った土蔵を取り囲み、伝統に新しい息吹を加えて修復した「相馬樓」で、酒田舞娘の踊りやお食事を楽しみ、雛人形や古美術品の展示も見ることができます。
酒田舞娘の艶やかな踊り
北前船による京都との往来により、酒田の町には京都(上方)文化が育まれ、酒田の花柳界では競って芸に磨きをかけ、江戸や上方にも知られるほどとなりました。
ここ「相馬樓」ではその酒田舞娘の艶やかな踊りを楽しむことができます。
北前船の繁栄から誕生した「酒田まつり」
酒田を領有した庄内藩は酒田奉行所を置きましたが行政の大半を「三十六人衆」と呼ばれる三十六家の廻船問屋、廻船宿に委ねました。
酒田は町人が中心となる、他の地域とは異なる自由の気風が溢れる町と言えます。
そして、その豪商たちが意地と粋を見せ、町に利益を返した祭りが、現代でも盛大に行われています。
飛鳥神社裸参り
見ているだけで寒い子どもたちの裸参り
酒田の子供たちは元気に育ちます!しかし寒そうですね~寒中水泳とどちらが寒いのかな?
五穀豊穣、無病息災を祈り、寒中にふんどし姿の子どもや若者が水ごりをとる行事です。
地元の小学生から30代くらいまでの若者が、歯を食いしばり、全身を真っ赤に染めながら氷のような冷たさの水を浴びます。
同神社の年越し行事である「松例祭」に参加する男衆が、前日に近くの相沢川に入って身を清めたのが始まりとされています。
裸参りは一時途絶えていましたが、平田町の町おこしグループ「飛鳥の行事を楽しくする会」が復活させ、以来氏子が中心となって続けています。
(毎年1月5日開催)
開催期間 毎年1月5日開催
会場 飛鳥神社
住所 山形県酒田市飛鳥字堂之後92
お問い合わせ
飛鳥神社
TEL:0234-52-2486
交通アクセス
●JR羽越本線「砂越駅」より車で約5分
●日本海東北自動車道「酒田IC」より車で約25分 駐車場
●普通車:あり
料金 無料
令和二年。新年に行われる令和初の飛鳥神社裸参りにお越しください。子どもたちが一生懸命お祈りしてくれますよ・・・
続く・・・
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
一般社団法人酒田観光物産協会
〒998‐0838
山形県酒田市山居町1-1-20
TEL:0234-24-2233
経済産業省 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 代表電話 03-3501-1511
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