ZIPANG-4 TOKIO 2020 令和二年 七福即生 八方円満「大和七福八宝巡り」

はじめに 記事をお届けするに当たり、今夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な豪雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が発生。やりきれぬ国民的ショックも癒えぬ中、重ねて2019年12月4日、アフガニスタン東部で長年医療と共に当地に用水路を完成させた国民的英雄、中村哲医師の暗殺事件が続きました。余りにも大き過ぎる一連の悲報に暮れた昨今です。今私達は世界平和の為に何が出来るか…?貴方が遺した後姿から一人ひとりが何かを学び取り、その実践こそが御恩返しに繋がるものと思います。謹んで哀悼の意を捧げつつ。合掌


大和一之宮と七福神を詣る 大和七福八宝めぐり

大和信仰の原点「三輪山」

「大和七福八宝めぐり」は大和の七福神と大和信仰の原点である三輪山を参り、八つの福宝をいただくおめでた詣りです。



七福神はインド、中国、日本と三国にわたる福の神です。縁を結べば「七福即生」の御利益があります。また、三輪山は日のいづる山として仰がれる大和の信仰の原点で、参拝すれば七福がさらに倍増し、「八宝円満」の御利益をいただけます。 この「七福神+大和一之宮」の八宝巡りは1日で回ることも可能ですので気軽に出かけてみましょう。それぞれ趣の違うお寺、神社があなたを迎えてくれます。


大神神社

東方「三輪山」より登る太陽が西方「二上山」に沈む。これが大和の信仰の原点です。 日本最古の神社というより、我が国最古の聖地として全国より信仰される「大和一之宮」です。



三輪明神 「七福倍増の福宝」

 三輪山は日の昇る山として古来の人々に信仰された我が国の信仰の原点であり、我が国最古の聖地です。この三輪山はお山自身がご神体で三輪明神として信仰されています。 三輪明神は福寿増進の神として知られており、七福神の七福を倍増させ八宝円満に導く御利益があります。

繞道祭(にょうどうさい)。ご神火祭りともいわれております。

大神神社の年頭を飾るご神火の祭典で、国家・御皇室の安泰と国民の幸福を祈ります。繞道祭に用いられるご神火は新年の始まりの午前零時を期して、拝殿の東方、禁足地内で宮司によりきり出されて、拝殿大床の燈籠に移し置かれます。

祭典では宮司祝詞奏上の後、ご神火を小松明に点し2人の神職が拝殿内を走り出て、拝殿前の斎庭で待つ3本の大松明に火が継がれます。そして、先入道(さきのにゅうどう)・後入道(あとのにゅうどう)と称する2本の大松明(長さ約3メートル)と少し小さめの神饌松明の計3本を氏子の若者がかつぎ、神職と共に山麓に鎮座する摂末社19社を巡拝します。

ちなみに「繞」とは、「めぐる」という意味です。ご神火が境内のご神火拝戴所に移されると、待ちかまえていた参拝者が先を争って持参の火縄やカイロに火を移しとります。

このご神火はそれぞれの家庭に持ち帰られ、神棚のお灯明や雑煮の祝火に用いられ、一年間の無事息災が祈られます。大和の正月は繞道祭で明けるといわれる年初の勇壮な火の祭典、繞道祭は浄火を尊んできた日本人の古代からの信仰を今に受け継いでいます。

開催期間 2020年1月1日(水) 午前1:00~
開催場所 大神神社 拝殿
〒633-8538 奈良県桜井市三輪 電話 0744-42-6633


長谷寺

大和と伊勢を結ぶ初瀬街道を見下ろす初瀬山。西国巡りの根本霊場ともいわれる観音信仰の聖地で、真言宗豊山派の総本山。「花の御寺」としても名高く、古くからある大黒堂には、四尺五寸の大黒さまが祀られ広く信仰されています。

長谷寺万燈会

大黒天 「財宝の福宝」

大黒天はもとはインドの戦いの神で強い力をお持ちです。日本において大国主命と神仏習合し、福徳の神となりました。 長谷寺には本堂脇に古くから大黒堂があり、4尺5寸もの大黒さまが祀られて広く信仰されています。 金運の神として知られるとおり、財宝の徳を授けられます。

 〒633-0193 桜井市初瀬731-1 電話 0744-47-7001


信貴山朝護孫子寺

信ずべき貴ぶべき山「信貴山」は聖徳太子の前に毘沙門天さまが日本で初めて出現されたお山です。毘沙門さまの総本山として広く信仰されています。 636-0923 生駒郡平群町信貴山 0745-72-2277

信貴山朝護孫子寺の紅葉

毘沙門天 「家門隆昌の福宝」

毘沙門天は、仏法を守護する最強の守護神で、四天王の一人として北方を守護します。 またの名を多聞天ともいい、多くの願いをお聞き下さる福の神でもあります。 信貴山は、聖徳太子が毘沙門さまを感得された、日本最初の毘沙門天出現霊場です。 その威厳あるお姿さながらに、家運が開け、家門が子々孫々に繁栄するご威徳を頂戴することが出来ます。

 〒636-0923 生駒郡平群町信貴山 電話 0745-72-2277


當麻寺中之坊

白鳳時代の創建で、天平時代の東西両塔が並び立つ名刹・當麻寺の最古の僧坊が「中之坊」です。中将姫の守り本尊「導き観音さま」は特に女人の健康を守護することで信仰されています。大和屈指の名園「香藕園」や様々な宝物を展示する「霊宝館」など見どころにも事欠きません。 

當麻寺中の坊 曼荼羅堂(本堂)

布袋尊  「家庭円満・子宝の福宝」

布袋尊は、中国後梁の時代の実在のお坊さまで、本名を契此(かいし)といいます。常に布の袋を担いで諸国を歩き、人々に福を授けて回ったことから「布袋さま」と呼ばれるようになり、弥勒菩薩さまの化身仰がれました。 弥勒信仰の篤い當麻寺では、最古の僧坊である中之坊に、古くから布袋さまが祀られています。 特に子供たちに慕われたことから子供の病や子宝に霊験があるといわれ、またその円満な相好にあらわされるとおり家庭円満の御利益があらたかです。

〒639-0276 北葛城郡當麻町當麻1263 電話 0745-48-2001


安倍文殊院

智慧の文殊さんとして有名な安倍文殊院は、「合格祈願」の参拝者が後を絶ちません。ご本尊は快慶の代表作で、文殊菩薩像としては日本最大の像(7メートル)です。弁天さま(辯財天)をお祀りする金閣浮御堂も見事で、境内には、春は干支のパンジー大絵馬、秋はコスモス大迷路と、見どころも満載の寺院です。

安倍文珠院

弁財天 「愛嬌縁結びの福宝」

七福神の紅一点弁天さまは、インドの水の女神です。美しいお姿で知られていますが、八本の手に多くの武具・法具を持つお姿でも表されるとおり、困難に立ち向かう強い力もお持ちです。 平時は穏やかな女神さまで、美しい琴の調べに象徴される技芸の徳の他、愛嬌縁結びの神さまとして親しまれています。安倍文殊院では金閣浮御堂にお祀りされています。

〒633-0054 桜井市安倍山 電話 0744-43-0002


おふさ観音

「積の観音さん(癪の病をとる、の意)」として広く信仰されている観音霊場。一年中花が咲き乱れる「花まんだら」の寺としても親しまれています。また「円空庭」とよばれる庭園も拝観できます。 

おふさ観音

恵比須天 「商売繁昌の福宝」

恵比須天は、いざなぎ・いざなみ二神の第三子で名を夷三郎といいます。七福神唯一の我が国古来の神さまです。 もと漁民の神として、海運守護、大漁の徳をお持ちの他、特に商売繁昌の霊験があらたかで「エビスさん」として知られています。

〒630-0075  橿原市小房町 電話 0744-22-2212


談山神社

藤原鎌足公を祀る談山神社は、日光東照宮のモデルとも言われるとおり、重要文化財の華麗な建造物が実に17棟も居並びます。木造の十三重塔は日本でここだけ(普通は石塔)。特に秋は大和屈指の紅葉の名所としてにぎわい、「けまり祭り」も広く知られています。

談山神社ライトアップ

福禄寿神 「開運出世の福宝」

福禄寿は、その名の通り福・禄・寿の三徳の神さまで、鶴亀を連れたおめでたいお姿で描かれます。 あらゆる福寿の神として知られていますが、特に幸福を招来する人望の徳を授けられます。

〒633-0032 桜井市多武峯 電話 0744-49-0001


久米寺

久米仙人の逸話でも知られる久米寺は、弘法大師さまが「大日経」にはじめて出会われて、真言密教を宣布するきっかけとなった根本霊場です。あじさい・つつじの名所としても知られています。

久米寺

寿老神 「長寿延命の福宝」

寿老神は不老不死を象徴する神さまで、玄鹿(くろしか)を伴う老人のお姿で表され、生命を司る南極星の精(寿星)としてあがめられています。 長寿延命と共に、健康の徳を授けられます。

〒634-0063 橿原市久米町 電話 0744-27-2470



編集後記

令和元年最後の記事になります。読者の皆様には一年間お付き合いいただき、また励ましのメールなども頂戴致しました。そして、各方面からご提供いただいた貴重な情報は、当方の知らないことだらけ。恥じ入るばかりです。

改めて日本文化の多様性、歴史の深さ、日本国土に埋もれた汲めども尽きせぬお宝に眼を奪われ、興奮する本当に楽しく充実した日々でした。お蔭様にてほぼ毎日記事をお届けすることが出来ましたこと、重ねて厚く御礼申し上げます。

丁度今、当編集局から車で15分位のところに(昔は対岸まで渡し舟)、名古屋城の鬼門として建てられた『龍泉寺』※から川風にのって除夜の鐘の音が響いてまいりました。

新年明けましておめでとうございます。

本年は、東京オリンピック・パラリンピックの開催年です。自然災害がなく、平和な年でありますように。また皆様にとって素晴らしい年となりますことを祈念しつつ、ご一緒に "一富士二鷹三茄子" の初夢を見る事に致しましょう。

令和二年元旦


※龍泉寺について

龍泉寺「仁王門」

庄内川、濃尾平野を眼下に見下ろす守山の景勝地にたたずむ龍泉寺は、天台宗に属し松洞山大行院と号します。延暦年間(782‐806年)、伝教大師最澄が創建したといわれています。宝暦5年(1755年)に記された古文書「龍泉寺記」には、「その昔、伝教大師が熱田神宮に参篭中、龍神の御告げを受け、龍の住む多々羅池のほとりでお経を唱えると、龍が天に昇ると同時に馬頭観音が出現したので、これを本尊として祀った」という内容が記述されています。そのため、龍泉の名前もこの話に由来するといわれています。

一方では、弘法大師空海も同じように、熱田神宮参篭中のおり、熱田の八剣のうち三剣をこの龍泉寺に埋納しており、龍泉寺は熱田の奥の院といわれてきました。このため、この寺は伝教・弘法大師の開基ともされています。

このように長い歴史をもつ龍泉寺ですが、これまでに二度の火災に見舞われています。天正12年(1584年)小牧長久手の役のおり、豊臣秀吉が当山に陣し退却するとき、池田勝入の部下により放火焼失、慶長3年(1598年)、秀純大和尚が堂塔を再興しました。しかし、明治39年(1906年)に再び放火に遇い、多宝塔、仁王門、鐘楼を除く全てが灰と化しました。ところが幸運にも、焼跡から、慶長小判百枚が発掘されたので、それを基金とし、多くの御信者の御寄付とをあわせ、本堂が再建され、今日に至っています。

※仁王門 重要文化財(1928年指定)

三間一戸楼門入母屋造り柿葺き、正面七.四米 側面四.六米建造。年代は、天井裏から発見された板札に慶長12年(1607年)の日付があり、古記録や様式からもこの年次の建造とみられる。

ただし、この門は高針村(名古屋市名東区)から移したと伝えられており室町時代のものを慶長期に移建した可能性もあります。

龍泉寺仁王門は、昭和3年4月4日に国の重要文化財に指定され、昭和31年に解体修理を行い、昭和32年6月18日に造立板札が追加指定され、昭和55年に屋根部分修理が行われました。近年では平成15年に屋根の全面葺き替えが行われました。



また、龍泉寺は、荒子観音、笠寺、甚目寺と並んで尾張四観音の一つとして、 毎年2月3日の「節分会」には数万人の近在の参拝者で賑わうことでも有名なお寺です。400年程度前に、徳川家康が名古屋城築城の際に、名古屋城から見て鬼門の方角にあたる寺院を名古屋城の鎮護として尾張四観音と定めたようです。 



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(敬称略)

「大和七福神八宝霊場会」

龍泉寺 〒463-0801 愛知県名古屋市守山区竜泉寺1丁目902 電話: 052-794-3647

笠寺観音 〒457-0051 名古屋市南区笠寺町上新町83 Tel (052)821-1367



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。    

ZIPANG-4 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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