はじめに 記事をお届けするに当たり、昨夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な豪雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が発生。やりきれぬ国民的ショックも癒えぬ中、重ねて2019年12月4日、アフガニスタン東部で長年医療と共に当地に用水路を完成させた国民的英雄、中村哲医師の暗殺事件が続きました。余りにも大き過ぎる一連の悲報に暮れた昨今です。今私達は世界平和の為に何が出来るか…?中村氏が遺した後姿から一人ひとりが何かを学び取り、その実践こそが目指した真の世界樹に繋がるものと思います。謹んで哀悼の意を捧げつつ。合掌
日本の睡眠時間は世界的にも短く、1日の平均睡眠時間が442分と2019年には最短水準※1になっています。眠れない、夜中に起きるなど睡眠の悩みを抱える方は年々増え、睡眠負債が社会課題です。一日に7時間以上寝るのが理想と分かっていても、仕事、家事、育児と忙しく睡眠時間を捻出するのが難しいのが現実です。
睡眠時間を変えなくても睡眠の質を上げることで、昼間には心も体もイキイキし、生活の質が上がり、病気の予防にも繋がります。
そこで専門家に、睡眠の重要性と睡眠の質を上げるコツを聞いてみました。
山下あきこ医学博士並びに(株)協和によると・・・
■良い睡眠が、自律神経を整え、心と体をイキイキと!
良い睡眠を取ると自律神経の働きが良くなって、心も体も調子が良くなります。自律神経は、胃腸、心臓、血管を動かし、汗や体温を調整し、体を一定の状態に保つ、司令塔のような働きをしています。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経は活動するときに活発になり、筋肉を緊張させたり、心臓の鼓動を早くします。一方、副交感神経はダウンモードで家族と過ごしたり、お風呂でリラックスしているとき優位になります。体を休めて栄養を吸収するメンテナンスの時間ですので、筋肉や血管は緩み、胃腸は活発に働きます。
■自律神経が乱れる原因は?
自律神経が乱れることにより、肩こり、高血圧、糖尿病やうつ病などの生活習慣病が増えています。
自律神経が乱れる原因のひとつは、交感神経が活発になり過ぎていること。例えば、昔狩りをしているときの人間は、数十分間緊張する程度でした。現代は、仕事や人間関係で緊張状態が長くなり、交感神経を働かせ続けています。
ふたつ目には、副交感神経が活発になる深夜から朝にかけて、質の良い睡眠が取れていないこと。人間の体は、昼の光で交感神経が、夜の暗さで副交感神経が活発になります。現代では24時間常に光が灯せるので、太陽の動きや体内時計を無視した夜型の生活を続けていると、自律神経が乱れ、体調が悪くなります。
日中交感神経が過剰に働いている場合は、夜に副交感神経を働かせる時間、つまり睡眠の時間をしっかり取ることで一日のバランスが良くなります。また、免疫力アップにも繋がり、病気の予防にもなります。
■良い睡眠のためのホルモンって?
メラトニンとは睡眠の質を上げる重要なホルモンです。朝の過ごし方と栄養の摂り方が良い睡眠のポイントになります。
メラトニンは「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンから作られます。セロトニンが良く分泌されると夜ぐっすり眠れて、昼間の幸福感も高まる、嬉しいホルモンです。
<睡眠の質を上げる12のコツ>
①週末の寝溜めはNG!睡眠サイクルを一定に
寝る時間と起きる時間をなるべく一定にすると良いです。夜勤勤務や海外出張で睡眠サイクルがずれると、体のダメージに繋がります。できる限り睡眠サイクルを一定にしてみましょう。週末の寝溜めは、社会的時差ぼけと言われ体に良くありません。
②入浴は寝る1~2時間前が理想!
体温変化が寝つきに影響します。寝る時間に向かって体温を下げていくと寝つきが良くなります。暖かいお風呂に入るなら、寝る1~2時間前に済ませておきましょう。寝る前ならば、ぬるめのシャワーがお勧めです。寝室の温度は少し涼しめのほうが体温が下がります。
③スマホやテレビは寝る90分前までに!
ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制してしまうため、寝つきが悪くなります。パソコン、スマートフォン、テレビなどブルーライトを発生させるものは寝る90分前から消すのが理想です。至近距離でブルーライトが入るスマートフォンは特に注意が必要です。就寝前のSNSやネット検索は、さらに興奮や覚醒を促してしまうので、できるだけ止めましょう。夕方以降の自宅の照明を徐々に暗くしたり、ブルーライトカットめがねを活用するのもお勧めです。
④エッセンシャルオイルの香りも効果的!ラベンダーがオススメ
香りを認識する嗅神経は脳から直接出ており、香りがダイレクトに脳に伝わります。神経を鎮めるラベンダーは寝つきを良くします。
香りを選ぶときは自分が好きな香りを選ぶと良いでしょう。寝具や部屋にスプレーしたり、入浴剤、ハンドクリームを使うのもお勧めです。
⑤寝室は真っ暗がベスト!子供は明かりの下で就寝すると近視に!
寝室はできれば真っ暗にするのが良いです。アイマスクをしても、皮膚が光を感じてメラトニンを抑制します。子供の場合は、弱い光でも、点灯下の就寝は近視になる確率がアップします。子供と同じ部屋で就寝する方は気をつけましょう。
⑥寝る姿勢は仰向けで!
寝る姿勢は仰向けがお勧めです。仰向けは、胸郭が開きやすく、全身の筋肉がリラックスしやすい体勢です。横向きでは、片方の肩や腕に重力がかかり背骨や歪みの原因になります。ただし、睡眠時無呼吸症候群の方は横向きのほうが、空気の通りが良くなります。
⑦朝に30分の太陽を浴びる!
朝起きたら太陽光を浴びましょう。朝の太陽光が、セロトニンを分泌し、入眠後はじめ90分の深い睡眠に有効です。特にお勧めなのが、6時~8時30分の間に太陽光を30分以上浴びること。晴れた日の屋外は、室内と比べて100倍以上の明るさがあるため、屋外に出るのがいいでしょう。難しいときには窓辺で過ごすのも有効です。
目と皮膚の両方で光を浴びることがポイント。
起きたら①カーテンを開ける②洗濯物を干す③窓際で朝食をとる④通勤でひと駅歩くなどの工夫をして見ましょう。窓際で過ごすときには紫外線対策のUVケアも忘れずに。
⑧リズム運動をする!
昼間に体を動かすことも重要です。特にリズム運動をするとセロトニンの分泌を促すためお勧めです。
運動はトレーニングと勘違いする方もいますが、激しい運動は不要です。①腹筋を使った呼吸瞑想 ②ウォーキング③トランポリン④カラオケでダンス⑤硬いものをよく噛む⑥ゴルフの素振りでも構いません。
いつでもどこでも気軽にできる呼吸瞑想は特にお勧め。腹筋を縮めたり緩めたりする腹式呼吸を午前中にすると良いでしょう。
リズム運動は寝る4~5時間前までに済ませましょう。就寝前のハードな活動は快眠には逆効果です。運動のやりすぎにも注意しましょう。
⑨カフェインは昼食後2時頃までがベター!
カフェインはアドレナリンなどの分泌を促進させ、興奮や覚醒の作用があります。
カフェインを飲んだ後、血液中で半分の濃度になるまで8時間かかります。体内に残っていると寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなります。つまり午後3時に飲んでも、11時頃まで残っているので、飲むなら昼食後2時頃までがベターです。
カフェインにはメリットもあります。朝飲めば目覚めが良く、日中の集中力や注意力をアップし、がん予防の効果も。飲むタイミングを考え上手に付き合いましょう。
⑩アルコールは摂りすぎない!週に2~3日の休肝日を!
アルコールの摂り過ぎは睡眠の質に影響します。眠りの前半にはレム睡眠の状態が少なくなり、記憶の整理ができません。深酒した翌日に前日の記憶を失ったりするのはこれが原因です。
寝はじめは深い睡眠になりますが、その後は浅い眠りが続き熟睡感が得られません。また、アルコールの利尿作用でトイレに目覚める確率が上がり、さらに眠りを阻害します。アルコールは摂取量をコントロールしたり、週に2~3日の休肝日を作りましょう。
⑪朝食でたんぱく質を、夕食では葉物野菜を積極的に!
幸せホルモンのセロトニンが多く含まれるたんぱく質を朝食に、メラトニンが多く含まれる葉物野菜を夕食に摂りましょう。
睡眠ホルモンのメラトニンは、セロトニンから作られ、セロトニンはトリプトファンから作られます。
トリプトファンは体内では生成できない必須アミノ酸で、食事からこまめに摂取する必要があります。トリプトファンからメラトニンに合成されるまで時間がかかるので、朝しっかりと食べてトリプトファンを摂取し、寝る前のメラトニンを蓄えましょう。
トリプトファンが豊富な食材は、大豆食品やナッツ、煮干し、麩、ゴマ、サバ、アジ、シャケ、卵などです。ビタミンB12と一緒に摂取すると、体内でメラトニンにスムーズに合成できます。
睡眠ホルモンであるメラトニンは白菜、キャベツ、レタス、ハムなどに多く含まれます。これらは合成する必要がないので夕食での摂取でも大丈夫です。
朝食は、ご飯に豆腐の味噌汁、納豆や鮭に卵があると理想です。忙しい朝には、トリプトファンとビタミンB6が多く含まれるバナナでも代用できます。
夕食には、葉物野菜を多く取り入れ、糖質が多く含まれる甘いものやご飯、アルコールなどの摂取を減らすことで、血糖値の変動を抑え、安定した眠りにすることができます。
⑫ボディスキャンで寝つきを良く!
ボディスキャンとは体の感覚に注意を向ける方法です。寝る前に行うと寝つきが良くなります。身体の各部分の感覚をありのままに観察していく、マインドフルネス瞑想のひとつになります。
12の項目のうち、まずはできるところから始めると良いでしょう。寝室にはスマホを持ち込まないでください!
編集後記
アロマテラピーについて
アロマテラピー(アロマセラピー)という言葉は、20世紀初頭、フランスの化学者ガトフォッセが実験中の事故で火傷を負い、ラベンダーのエッセンシャルオイル(精油)を用いて、その効能を自ら体験したことから、この植物療法をアロマテラピー※と命名したのが始まりです。
※アロマ(芳香)、テラピー(療法)。アロマテラピー=芳香療法です。
日本では、アロマテラピー(フランス語)やアロマセラピー(英語)と呼ばれたりと発音の違いはあるものの、内容は同じです。
ヨーロッパでは、古くから自然療法として取り入れられ、神経系、免疫系、内分泌系に働きかけることによって心身のバランスを整えてくれます。
プロフォ二―は「香りの学校 LIVE」オリジナルなエッセンシャルオイルとキャリアオイル(植物油)、フローラルウォーター(芳香蒸留水)です。エッセンシャルオイルの品質の目安として一本一本に成分分析表が添付されているものが良いものとされています。
エッセンシャルオイル(精油)とは、植物の花、葉、根、果皮、樹皮などから抽出した天然のオイルで、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。各植物によって特有の香りと作用をもち、アロマテラピー(アロマセラピー)のベースとなるものです。
エッセンシャルオイル(精油)は、1種類で使用するより2種類~3種類(初心者)をブレンドしたほうが相乗効果により作用が高まります。そしてまず、エッセンシャルオイル(精油)の作用を考えその中から好みの香りを選んでブレンドしてください。
エッセンシャルオイル(精油)は、ヨーロッパにおいては医薬品として用いられている国もありますので、使用するときはナチュラルセラピスト(自然療法士)やアロマセラピスト、アロマテラピーインストラクター、アロマテラピーアドバイザーのアドバイスを受けられるか、少なくともご自身で基本的な知識を学ばれて使用されることをお勧めいたします。
かれこれ30年ほど前になりますか…当時話題になったたオリエンタル調のエスニックな雰囲気のインテリア。Wさんは、主婦兼アロマセラピストとしてご自宅でアロマサロンを開業!
オリジナルブレンドのエッセンシャルオイルの作用と巧みなアロママッサージの手技でついリラックス…お客様は施術中に心地よい眠りに・・・
現在、デイケアの温泉施設や温泉旅館・リゾートホテル、アロマ・エステサロン、老人ホーム、医療施設、イベント会場のほか、ご自宅の空きスペースを活用してアロマーサロンやリフレクソロジーサロンを開業されている方たちもたくさんおられます。
アロママッサージの前にカウンセリングを行います。日本では、サービスとして施術料金に含まれているケースが多いですが、ヨーロッパにおいてはカウンセリング料金は別途必要になります。(30分で5000円位)
但し、サロンによっては本格的なカウンセリングが必要か否かをたずねてくれます。
公私ともにお疲れの方は、非日常的な空間で是非、アロママッサージ(サロンによっては、アロマトリートメントとも呼ばれていますが、同じものです。但し、正統なアロママッサージはスウェーデン式マッサージ法をベースにしています。)を受けられることをお勧めいたします。
きっとその日の夜は、質の良い睡眠を得られることと思います・・・
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
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読者からのご意見が届いておりますのでご紹介いたします。
『読者の声』
最近、原因はわからないのですが、寝不足気味で平均の睡眠時間は3~4時間(以前は6~7時間)と年々短くなっております。
ただ、記事を拝読してピンときたのは
恐らく、暴飲暴食、運動不足、深夜テレビを観て寝るのが遅いなどが原因ではないかと思いますが⁉
「睡眠の質を上げる12のコツ」を参考に、何時まで続けることが出来るのかわかりませんが(…超弱気)、早速チャレンジしたいと思います・・・
だけど、現状12を行うことは至難の業なので、まずどれか一つから始めてみます。
ありがとうございました。
『読者の声』
深い睡眠を取る方法がわかりやすくまとめられていたので、今夜から試したいと思います。
明るい部屋で寝ると子供の近視発病率が高くなる点は知りませんでした。気を付けます。
『読者の声』
健康な暮らしに睡眠時間はなによりも大切だと思います。12のコツについてありがとうございます。少しずつ始めたいと思います。
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