ZIPANG-4 TOKIO 2020 企画展―尾張徳川家の仏教美術―


徳川美術館には、尾張徳川家に伝来した仏教関連の品々が多数遺されています。
尾張徳川家では初代義直の供養のため2代光友 が菩提寺として浄土宗の建中寺を建立し、その後も代々浄土宗を重んじました。その一方で、多様な宗派の寺社を庇護したほか、 当主個人や家族の信仰も様々でした。これを反映し、徳川美術館の仏教遺品は浄土宗にかかわる多数の品々とともに、幅広い信仰 に基づく品が現在に伝えられています。 信仰の拠りどころであり、また由緒ある宝物として大切にされた経典・仏像・仏画などをご紹介します。そして故人の供養のた めに墓所へ納められた遺愛品や、寺院への奉納品により、尾張徳川家の人々が仏教に寄せた思いを紐解きます。


~~~✜✜✜~~~

ー新型コロナ菌肺炎のパンデミックに寄せてー

昨年、我国は皇室の御代替わりで年号も改まり、昨秋の奥ゆかしき即位式には深い歴史の重みに国民は改めて誇りをもち、2020オリンピック主催国日本は明るい兆しを求めて令和2年を迎えたばかりでした。その余韻も覚めやらぬ1月半ば、世相はいきなり急転直下…

目下、全世界が新型コロナ肺炎パンデミックに巻き込まれております。未だ対処方法も終息期も見出だせない状況下、各国で拡散し猛威を奮っております。

今、私達に出来ることはただ一つ。それはこの目に見えない新型コロナ菌に出逢わない事だそうです。その方法とは… "三密 " つまり密集、密閉、密接 を避ける事ですね。

当面は一人一人がその "三密 " を守りましょう。皆が心を合わせれば、コロナ菌は行き場を見失うのです。

どうか、世界各国が足並みを揃え、協力しあって一日も早く平和な日々が訪れますように。

編集局より

~~~✜✜✜~~~ 


蓬左文庫・徳川園「黒門」。徳川美術館に繋がっています。


企画展

祈りのこころ ―尾張徳川家の仏教美術―

The Heart of Prayer: Buddhist Art in The Owari Tokugawa Family Collection

令和2年 6月6日(土)~7月12日(日)

主催:徳川美術館・名古屋市蓬左文庫


出品作品の一例


法華経 普門品(ほけきょう ふもんぼん)(部分) 

平安時代、貴族社会に深く根付いた『法華経』は、写経の功徳を積極的に説くことから、故人の追善供養や、自己の作善(さぜん)を目的として盛んに書写されました。本品も『法華経』のうち、第二十五品「普門品(観音経)」を書した一巻です。表紙・見返(みかえし)・経の天地に至るまで装飾がこらされ、金截金(きんきりかね)による界罫線を引き、まろやかな和様の書体で書写されています。平安貴族の美意識が投影された優品です。

平安時代 12世紀 重要文化財


刺繡阿弥陀三尊来迎図(ししゅうあみださんぞんらいごうず)(部分)

観音(かんのん)菩薩・勢至(せいし)菩薩を先導に、雲に乗った阿弥陀如来が往生者のもとへ飛来する場面を表します。各所に配された梵字(ぼんじ)は種字(しゅじ)と呼ばれ、仏尊を象徴的に示しています。本紙・表装とも多彩な色糸と人毛による刺繡で表されています。高度な技法を駆使して色のぼかしや線の躍動感を表現しており、刺繡による来迎図の中でも屈指の名品です。

鎌倉時代 14世紀 重要文化財 (展示期間:6月6日から6月21日)


善光寺式阿弥陀三尊像(ぜんこうじしきあみださんぞんぞう)(部分)

善光寺(長野市)の本尊で秘仏である阿弥陀三尊像は、天竺(インド)において月蓋長者(がっかいちょうじゃ)の前に現れた阿弥陀如来の姿を鋳出して写した「生身仏(しょうじんぶつ)」と伝わり、かつインドから朝鮮半島を経て日本へもたらされた最初の仏という縁起とともに、鎌倉時代以降、篤く信仰されました。

全国に彫刻による多数の模像が伝存するなか、本品は数少ない絵画による遺例です。尊像の頭髪を人毛の刺繡で表していることから、故人の追善を目的に製作された可能性が考えられます。

室町時代 15-16世紀 (展示期間:6月23日から7月12日)


釈迦三尊像 (黒漆厨子入)(しゃかさんそんぞう)

釈迦如来は、仏教の開祖であり、紀元前5世紀ごろにインドで活躍したゴータマ・シッダルタのことです。開祖として宗派を問わず信仰され、その遺骨である舎利(しゃり)も尊重されています。

本品は寛保元年(1741)、八代宗勝(むねかつ)が国家安穏のため、日蓮曼荼羅(十界曼荼羅)・『法華経』八帖(展示番号10)とともに名古屋城天守に納めた釈迦三尊像とみなされています。

江戸時代 18世紀


阿弥陀三尊像(黒漆厨子入)(あみださんそんぞう)

阿弥陀如来は西方極楽浄土の主です。臨終のとき極楽浄土へ生まれ変わり(往生)、仏の教えを聞いて悟りを開くこと(成仏)を説く浄土思想は、古くから宗派を超えて篤く信仰されました。

本品は来迎印(らいごういん)を結ぶ阿弥陀如来に、往生者を浄土へ運ぶための蓮台を捧げる観音菩薩、合掌する勢至菩薩を合わせた三尊像です。厨子には金銅やガラス玉を用いた華鬘(けまん)や幡(ばん)などで装飾が施されており、美しく荘厳された仏の世界を目の当たりにすることができます。

室町時代 16世紀


八幡大菩薩像(はちまんだいぼさつぞう)

尾張徳川家の江戸市ヶ谷上屋敷の中にあった八幡宮の御神体で、御神体の前に垂らす帳(とばり)が附属しています。八幡神は古くから仏教を守護する「八幡大菩薩」として信仰されたほか、武家の守護神としても奉じられ、源氏を称する尾張家でも氏神として尊崇されました。

鎌倉時代 14世紀 重要美術品


初音蒔絵櫛箱(はつねまきえくしばこ)

寛永16年(1639)9月22日、三代将軍家光の娘・千代姫(ちよひめ)が尾張徳川家二代光友に婚嫁する際に持参した「初音の調度」の一つです。櫛を納める箱で、歯の粗密の異なる三ツ櫛一組のほか、壺櫛払二点、象牙櫛払一点、眉作筆柄四点、芯差二点、鋏一点が附属しています。

元禄11年(1698)12月10日、江戸・市ヶ谷上屋敷で千代姫が亡くなると、遺体は将軍家の菩提寺・増上寺(東京都台東区)に葬られ、建中寺には光友により霊仙院(れいせんいん)殿霊廟が建立されました。千代姫の道具類は名古屋に送られ、本品は建中寺宝蔵へ納められました。

千代姫(霊仙院、尾張家2代光友正室)所用 建中寺宝蔵奉納
江戸時代 寛永16年(1639)


葵紋付黄金造飾太刀拵(あおいもんつきこがねづくりかざりたちごしらえ)

昭和27年(1952)、太平洋戦争後の復興計画の一環として名古屋市街地の墓所整理計画の中で、建中寺墓所も整理されました。その際、二代光友の墓所(瑞龍院殿墓所)からは、遺体と共に副葬された拵が発掘されました。昭和43年に鞘・紐・柄などを新しく補って復元したのが本品です。大名が使用する儀仗用の太刀拵としては最も正式な形式で、精緻な彫刻を施した金・銀の金具を多用し、各所に色彩の鮮やかな宝石を散りばめています。

昭和43年(1968) 徳川光友(瑞龍院、尾張家2代)所用
建中寺瑞龍院殿墓所発掘復元品


【ご来館に際してのお願い】

・必ずマスクをご持参・ご着用ください。

・玄関にて手指の消毒をお願いしております。

・入室人数の調整のため、入館・入室をお待ちいただく場合があります。

・発熱や倦怠感、息苦しさ、味覚・嗅覚の異常などの症状がある場合には、
ご来館をお控えください。

・発熱や咳等の症状の見られる方には入館をご遠慮いただく場合があります。



徳川美術館についてのご案内。下記のリンク記事をご覧ください。


ZIPANG TOKIO 2020「 最高の魅力『日本文化伝統の薫り』徳川御三家筆頭尾張徳川家の徳川美術館 」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2570027/


ZIPANG TOKIO 2020「特別展 尾張徳川家の雛まつり と 徳川美術館の建築」

https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/3742766/



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(順不同・敬称略)

徳川美術館 〒461-0023 愛知県名古屋市東区徳川町1017 電話: 052-935-6262

名古屋市蓬左文庫 〒461-0023名古屋市東区徳川町1001番地 電話番号:052-935-2173

名古屋市役所 〒460-8508 愛知県名古屋市中区三の丸3丁目1−1 電話: 052-961-1111



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。

ZIPANG-4 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

0コメント

  • 1000 / 1000