ZIPANG-4 TOKIO 2020 琉球王朝の鮮やかな伝統の色彩 11月16日(いい色)を「琉球びんがたの日」に制定!

はじめに 記事をお届けするに当たり、今夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な大雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が続き、国民として深く哀悼の意を捧げつつ…



琉球びんがたとは

早くは13世紀から起源を持つと言われる「琉球びんがた」。紅型(びんがた)とは、豊かな自然風土の中で生まれ、独自の染技で育まれてきた沖縄の染物の総称です。紅型は長い歴史の中で、古くは王族や士族をはじめ、今なおその独特な美しさ・華やかさで人々を魅了し続けています。


「琉球びんがた」の魅力

紅型の特徴的な魅力といえば、鮮明な色彩、大胆な配色、図形の素朴さが挙げられるが、その独創的な「琉球びんがた」の美しさが生み出された背景には、沖縄の特異な地理的要因も大きく影響しています。その昔周りを大国に囲まれた小さな王国であった琉球王朝は、近隣諸国と敵対することではなく、交易することで平和を保ってきた歴史があります。


その数多の交易の中で紅型は、その美しさに沖縄独自の自然風土をただただ反映してきたのではなく、一方では模様の緻密さ、もう一方では簡略化する大胆さの両面をあわせ持ち、中国的な豪華さもあれば日本的な優美さもある、技法的にも芸術的にも非常に稀有な伝統工芸として発展してきたのであります。


そして「琉球びんがた」そのものが、古よりのその独自の技法や芸術性を伝承するだけでなく、大きな歴史のうねりの中で潰えかけた紅型の歴史を今に紡ぐ先人たちや現代の職人たちの精神そのもの、その美しさと逞しさ、そして尊さを有するのです。


「琉球びんがた」の種類

 紅型


「琉球びんがた」のビンは「色彩」の意、ガタは「模様」の意と解釈する見方があります。
いろいろな手法によって白地紅型、染地紅型、返し型、朧型 (おぼろがた)、手附紅に染め分けられ、これらは型附(カタチキ)と呼ばれる糊置防染手法による型染めで、型紙を当てて生地に糊を塗り、そのあとで取り去った型紙の模様の部分に色を差す染め方で、さらに地染めが施されるものもあり、主には衣服類に使用されます。


藍型


藍の濃淡や墨で染められた紅型を藍型(イェーガタ)と呼ぶ。型紙は染地(線彫り)型を使います。濃藍から各種の藍の変化と地の白とで、大きめの模様で表現します。藍型は夏の衣料に数多く染められ、今日でも夏物の衣料として好まれています。時には赤、黄、緑の小色を入れることもあり、その種類は、白地藍型、黒花出し、白花出し、浅地花取り、藍朧(イェーウブルー)などがあります。


筒描き


糊引(ヌイビチ)と呼ばれるこの技法は、型紙を使用せずに防染糊を入れた円錐状の糊袋の先から糊を絞り出しながら生地に模様を描き、そのあとで模様の部分に色を差す方法。技法的にも難しく、均一に絞り出すために布面に垂直に置き、進行方向に傾けながら一気に線を引く。主に風呂敷や幕などに使用され、風呂敷は婚礼などの祝儀時に、大きな舞台幕は豊年祭などに使われるため文様も吉祥文様が多く描かれています。



1976年に設立した、沖縄の伝統工芸「紅型(びんがた)」の無形文化財保全・工芸発展に努める団体です。戦争で破壊されてしまった、琉球びんがたの伝統や技術を復興させ、その洗練された芸術性を広めるとともに、文化と品質の維持に努めています。

琉球びんがた事業協同組合 理事長 安里 和雄
〒900-0016 沖縄県那覇市前島1-11-12 TEL 098-862-5594


〜伝統工芸の豊かさを再認識し、
その活用の場を広げ、技を次世代へ引き継ぐ〜

知的財産権(模様・図柄)を軸にした琉球びんがたの活用方法を構築し、その素晴らしさを普及・伝承することを目的に設立された一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム(以下、「びんがたコンソーシアム」)は、この度、琉球びんがた事業協同組合と連携し、11月16日を『いい色・琉球びんがたの日』に制定致しました。


『いい色・琉球びんがたの日』制定目的

・王朝時代から続く「顔料」と「染料」を併用した琉球びんがた独特のグラデーションと表現豊かな色彩を再認識し、その活用の場を広げ、技を次世代へ引き継ぐことを目的に記念日を制定しています。


琉球びんがたが『いい色』である理由

・沖縄の強い日差しに負けない光を反射する『顔料』を使用し反物を染めている。

・『隈取(くまどり)』という工程で、図柄を立体感のある美しいグラデーションで表現している。
・図柄に配色を施した後、配色した図柄一つ一つに防染糊を被せ、染料を使い地色を引く等など色彩に対する強いこだわりを有している。


11月16日を「いい色・琉球びんがたの日」とした理由

・11月16日をいい色と読む語呂合わせが良いため
・11月は経済産業省が「伝統的工芸品月間」と定めており、伝統的工芸品として国から昭和59年に指定されている『琉球びんがた』に所縁のある月であるため


連携事業者(50音順) 

・アイラ―ティ合同会社

沖縄黒糖使用のチョコレートパッケージのデザイン

アイラ―ティ合同会社は、沖縄県立那覇高等学校前のイタリアンレストラン「Vino Vino」を営みつつ、イタリアと沖縄をキーワードにした商材の開発販売を手掛けています(びんがたコンソーシアム準会員)。今回、日本初上陸のイタリア生まれのチョコレートブランド「MAGLIO」と沖縄産黒糖をコラボレーションさせた商品開発を行っており、当該商品のパッケージに琉球びんがたを採用。


琉球びんがた図柄は、びんがたコンソーシアム理事「知念紅型研究所」の「サトウキビの花」を使用しています。サトウキビの穂が一斉に生え揃い、寒さのため全身の羽毛をふくらませた雀も飛んだ、冬の沖縄。寒い風にも耐えながら天へと高く靭やかに伸びるサトウキビを表現しています。


・株式会社islandworks 

かりゆしウェア・デザイン画


株式会社islandworksは、沖縄の伝統工芸やアートとコラボレーションしたアパレル商品企画に強みを持っています(びんがたコンソーシアム準会員) 。今回、日本トランスオーシャン航空株式会社のヘッドレストカバーに採用された琉球びんがた図柄を活用し、かりゆしウェアを開発。機内誌コーラルウェイでの販売も準備中です。


・株式会社okicom

工芸のツリー・完成イメージ図


株式会社okicomは、来年で創立40周年の宜野湾をベースとするIT企業です。近年は、伝統工芸を始めとする沖縄の地域資源のIT・デジタル活用を通した支援事業を展開しています(びんがたコンソーシアム正会員) 。今回、那覇空港・連絡ターミナルビルのふくぎホールにて12月から展示される、沖縄の染織の産地が連携した工芸ツリーをプロデュースしています。


 ・日本トランスオーシャン航空株式会社

クラスJのヘッドレストカバーのリニューアル

日本トランスオーシャン航空株式会社は、2020年1月1日から運行する便のクラスJシートヘッドレストカバーに、びんがたコンソーシアム理事「城間びんがた工房」のびんがた図柄を活用したヘッドレストカバー開発を行いました(びんがたコンソーシアム正会員) 。


琉球びんがた図柄は、びんがたコンソーシアム理事「城間びんがた工房」の「海中艶」を使用しています。伸びやかな海藻・枝サンゴ・テーブル珊瑚の周りで、心地よさそうに泳ぐ熱帯魚の艶やかな情景を色鮮やかに描いています。


・ヤンマ産業株式会社 - HAO

琉球びんがたx会津木綿のストール

ヤンマ産業株式会社は、東京及びニューヨークに拠点を置くアパレルメーカーです(びんがたコンソーシアム準会員) 。今回、会津木綿に琉球びんがたを染めたストール制作を行いました。琉球びんがたの染めは、びんがたコンソーシアム理事「知念紅型研究所」が担当しています。2019年11月9日より東京の国立新美術館内ミュージアムショップにて販売をしています。


・株式会社Rinnovation - Shima Denim Works

バガス&琉球藍エシカルテキスタイルのジャケット


株式会社Rinnovationは、沖縄のサトウキビの搾りかすである「バガス」を活用したエシカルテキスタイルを開発し、デニム・アパレルを展開しています(びんがたコンソーシアム準会員) 。今回、琉球びんがたを裏地に活用したスーツを紹介する他、びんがたコンソーシアム理事「城間びんがた工房」とコラボレーションし、産業廃棄物となっていた呉服で使用済みの琉球藍をリサイクル活用したバガス&琉球藍エシカルテキスタイルのジャケットを発表しました。


琉球びんがた図柄は、びんがたコンソーシアム理事「知念紅型研究所」の「朧型・丸竹模様」を使用しています。朧型は型紙を二枚使う、重ね型の技法です。細かい柄の中に浮かび上がる竹の柄をスタイリッシュに染め上げています。表地は、びんがたコンソーシアム理事「城間びんがた工房」の城間琉球藍染めを使用しています。


 【一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム団体概要】

団体名:一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム
設立日:2019年4月25日
所在地:〒903-0825 沖縄県那覇市首里山川町1-112
代表理事:屋冨祖幸子 / 事務局長:小渡晋治
TEL:098-894-3637 / FAX:098-901-4416
事業内容:琉球びんがたライセンス事業、普及販売事業、技術伝承事業、知財モニタリング事業



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。 


ZIPANG-4 TOKIO 2020

2020年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。この機会に、世界の人々にあまり知られていない日本の精神文化と国土の美しさについて再発見へのお手伝いができればと思います。 風土、四季折々の自然、衣食住文化の美、神社仏閣、祭礼、伝統芸能、風習、匠の技の美、世界遺産、日本遺産、国宝等サイトを通じて平和な国、不思議な国、ZIPANG 日本への関心がより深かまるならば、私が密かに望むところです。

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