奄美泥染めについて
奈良東大寺や正倉院の献物帳に「南島から褐色紬が献上された」との記録が残されています。 それが奈良朝(710~784年)の頃、約1300年ほど前になります。 そんな起源がある本場奄美大島紬は分担業で製織され、糸、絣染めを行う工程として泥染めを行います。 奄美大島に自生する車輪梅(方言:テーチ木)を煮出した染料(タンニン酸)と 亜熱帯気候、150万年前の古代地層などの影響で鉄分豊富な泥田で染め上げる手法です。
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ー新型コロナ菌肺炎のパンデミックに寄せてー
昨年、我国は皇室の御代替わりで年号も改まり、昨秋の奥ゆかしき即位式には深い歴史の重みに国民は改めて誇りをもち、2020オリンピック主催国日本は明るい兆しを求めて令和2年を迎えたばかりでした。その余韻も覚めやらぬ1月半ば、世相はいきなり急転直下…
目下、全世界が新型コロナ肺炎パンデミックに巻き込まれております。未だ対処方法も終息期も見出だせない状況下、各国で拡散し猛威を奮っております。
今、私達に出来ることはただ一つ。それはこの目に見えない新型コロナ菌に出逢わない事だそうです。その方法とは… "三密 " つまり密集、密閉、密接 を避ける事ですね。
当面は一人一人がその "三密 " を守りましょう。皆が心を合わせれば、コロナ菌は行き場を見失うのです。
どうか、世界各国が足並みを揃え、協力しあって一日も早く平和な日々が訪れますように。
編集局より
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奄美群島 奄美 高知山展望台からの眺め
古代天然染色工房「金井工芸」
本場奄美大島紬の歴史
古 代
大島紬の起源は定かではないが、養蚕の適地である奄美大島では、古くから絹織物が作られていたようです。
染色は、本土で行われていた古代染色と同じ技法で、奄美に自生するテーチ木やその他の草木を使 って行われていて、これが現在の本場奄美大島紬の、テーチ木と泥による染色のルーツとされています。
明治時代以前
初期の大島紬は、手紬糸を用いて地機で織られ、自家用として島民が着用していましたが、1720年(享保5年)頃、薩摩藩より『紬着用禁止令』が出され、大島紬は薩摩藩への貢物として作られるようになりました。
明治時代
1870年代に入ると、大島紬は商品として市場で取引が開始され、大きな人気を博するようになりました。この頃から奄美大島独特の泥染めが定着し始めました。
1895年(明治28年)原料糸として練玉糸が導入されました。
1897年(明治30年)頃、高機で織られるようになり、製織能率が向上しました。
1901年(明治34年)鹿児島県大島紬同業組合(本場奄美大島績協同組合の前身)が設立され、大島紬の品質向上と信用保持に努める目的で、製品の検査が始められました。
1902年(明治35年)頃には、締機が開発され、現在の本場奄美大島紬の精巧で緻密な柄を作りだす技術が出来ました。
大正時代以降
1921年(大正10年)ほぼ全ての大島紬が本絹糸で作られるようになりました。
1958年(昭和32年)頃、絣の摺り込み染色法と抜染加工法が開発されました。
1975年(昭和50年)国の伝統的工芸品に指定されました。
時代とともに多種多様な大島紬が開発され、伝統を守りながら、技術の改善と発展を図って、今日に至ります。
古 典 柄
・大柄模様(主に女物)
本場奄美大島紬 龍郷柄
本場奄美大島紬 秋名バラ柄
加工技術の研究改善により、現在では古典的な幾何学模様はもちろんのこと、複雑繊細な各種の花鳥紋様、山水調などの日本の伝統的紋様にいたるまで生産されており、さらに付け下げ調の絣織物も生産されて、多様化する消費者ニーズに応えています。
・小柄模様(主に男物)
小柄の代表的な絣紋様である亀甲柄は、平安時代末頃から有色紋様として盛んに用いられ、現代に至るまで伝統的な吉祥文様として広く好まれています。男物に多い小柄は、現代でも多数生産され、その種類は数十種類にも及び、柄名には考案者や土地名が用いられています。
琉球の彩りあふれる染織物
国指定の伝統工芸品が16点ある沖縄。
そのうち染織物が13点も選ばれています。 ルーツや特徴、魅力を紹介します。
沖縄県立博物館・美術館の学芸員(美術工芸担当)で、
染織物の達人 篠原 あかねさんによると
伝統的染織物の宝庫・沖縄
陶芸や織物、染物など、数多くの伝統工芸が根付く沖縄。なかでも染織物は、10種以上が現在でも受け継がれています。
「沖縄の染物といえば、華やかな色彩が印象的な『紅型』が有名ですが、織物も豊富です。素材は、『芭蕉』、『苧麻(ちょま)』、『木綿』、『絹』などがあり、『花織』、『かすり』などの多様な技術が彩られます。 沖縄本島でも北部、中部、そして南部にそれぞれ特徴のある織物があります。また離島でも、宮古島や八重山諸島には『上布』と呼ばれるものが、久米島では『久米島紬』が作られています。日本でもトップクラスの多さですよ」と話す篠原さん。
各地域に多彩な織り方があるのが特徴。例えば、那覇で織られている『首里織』には、浮き糸で模様を織りだす「花織」や、平織に経糸(たていと)だけを浮かせた「ロートン織」など7種以上の織りがあります。地域によって素材も織り方もさまざまです。
沖縄の染織物13種
美しい仕上がりで多くの人を魅了する沖縄の染織物。
沖縄で生まれ、受け継がれてきた13種をご紹介します。
染物
琉球びんがた
沖縄を代表する染色技法で、びんは色、がたは模様という意味です。古典紅型柄の鳳凰や龍、鶴などは、中国や本土の影響を受けたといわれ、デイゴや魚といった沖縄の自然や風物が取り入れられた新しい文様も生まれています。
染織物
八重山上布
八重山・石垣で主に生産される八重山上布。琉球王朝時代には貢納布として織られました。島人の積み重ねてきた技術は精巧で、白地に赤茶色の染料で絣模様を捺染した麻織物は、通気性に優れ、天然の色合いと素朴な絣柄が魅力です。
宮古上布
宮古島で生まれ、600余年に渡り受け継がれてきた宮古上布。苧麻(ちょま)を育てて績み、絣を括り、深い藍に染めて織ります。また、織り上がった布を叩くことで風合いが増す「砧(きぬた)打ち」により独特な光沢が生まれます。
芭蕉布
芭蕉布(ばしょうふ)は、沖縄の織物の中でも最も古い織物といわれ、大宜味村喜如嘉が主な産地です。糸芭蕉から繊維を取り出し、繊細な手仕事を経て糸を作り、織り上げます。その手技は国の重要無形文化財となっています。
首里織
那覇市首里に伝わる首里織は格調高く洗練された織物です。中でも花倉織は、最も格式の高い織物で王家の妃、王女が着用したといわれています。他に平織に経糸を浮かせた道屯織(ろーとんおり)など美しく多種多様な織りが特徴です。
与那国織
平織の交織布ドゥタティ柄、板花織のシダディ(手巾)、夫婦絣と称される絣柄を織り込んだカガンヌブー(細帯)、花織(ドチン花・イチチン花・ダチン花)を総称したのが与那国織です。染料は、島で自生する植物を用い、全工程を手作業で行います。
琉球絣
南風原町一帯で作られる絣織物を限定して呼ぶ琉球絣。染めと織り、手間と暇をかけて出来上がる繊細な琉球絣は「日本のかすりの源流」ともいわれ、琉球王朝時代の「御絵図帳」にある約600種類の図案が使われています。
読谷山花織
読谷村で作られる読谷山花織(ゆんたんざはなうい)。オージバナ(扇花)、カジマヤーバナ(風車花)、ジンバナ(銭花)を組み合わせて、立体的な幾何学模様で織り出しています。南方方面から海を渡って伝わってきた、ロマンあふれる織物です。
南風原花織
南風原花織は、南風原町で主に生産され、クワンクワン花織、ヤシラミ花織、タッチリー、チップガサーなど、南風原花織にしかない独特な模様や名称が存在します。多様な色彩の花糸を使った立体感のある浮柄が魅力的です。
知花花織
沖縄市で主に生産される知花花織(ちばなはなおり)は、祭祀の衣裳や晴れ着として愛用されてきました。模様の糸が経て方向に浮く経浮花織(たてうきはなおり)と、刺繍のように糸が浮く縫取花織(ぬいとりはなおり)の2つの技法が特徴です。
読谷山ミンサー
読谷村で作られる読谷山(ゆんたんざ)ミンサー。「ミンサー」とは細帯を意味する言葉です。縦糸を用いて「ぐうしばな」(竹串を使う技法)で織ります。南国らしい鮮やかな色使いと絣模様が特徴です。
八重山ミンサー
5つの柄と4つの柄と配する絣模様が特徴。「いつ(五つ)の世(四つ)までも末永く」という想いが込められています。ミンサーという言葉は「綿(ミン)で織られた幅の狭(サー)い帯」から来たといわれています。
久米島紬
素朴な風合いと植物染や泥染めによる独特な色調が魅力の久米島紬。図案作りから仕上げまでの全工程を一人の織子が務めるといいます。泥染めすることで光沢を増し、渋い色味の美しさをより際立たせます。
奄美大島と沖縄の染織物の関連情報は下記のリンク記事をご覧ください
ZIPANG TOKIO 2020 「 奄美固有のドロ土から産まれた『大島紬』漆黒色の魔力 寄稿文 Vol.1 」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/4228065/
ZIPANG-4 TOKIO 2020 琉球王朝の鮮やかな伝統の色彩 11月16日(いい色)を「琉球びんがたの日」に制定!
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7300579
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
一般社団法人あまみ大島観光物産連盟
〒894-0027 鹿児島県奄美市名瀬末広町14 14−10 AiAiひろば 電話: 0997-53-3240
本場奄美大島紬協同組合 〒894-0068 鹿児島県奄美市名瀬浦上町48-1 TEL 0997-52-3411
一般財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)
〒901-0152 沖縄県那覇市字小禄1831番地1 沖縄産業支援センター TEL 098-859-6123(代)
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