圓覚山宗鏡(すきょう)寺(通称沢庵寺)の本堂に雪が降りました。
新米さんは早起きして道をつける。修行の厳しさが身に染みる季節です・・・
本殿を庭から眺めてみると・・・
草庵は 紅葉を借りて 晴れ着かな ー 鎹八咫烏 (対来閣にて)
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いま世界的に新型コロナパンデミックの真っ只中ですが、日本ではこれに追討ちをかけるように、7月初旬には異常気象による局地的な集中豪雨現象が各地に発生しております。気象庁はこれを称して、「令和2年集中豪雨」と命名しました。
特に熊本県南部、川辺川・球磨川流域を中心とした地区では急激な増水濁流で81名の方々が死亡、行方不明となられる一方、岐阜県下では広範囲に亘る崖崩れや土砂災害、幹線道路の崩落で交通網の遮断。飛騨川流域を中心とする地域では家屋の損壊、浸水等の被害がありました。
ここに謹んで被災された方々への御見舞と共に尊き命を犠牲にされた方々へ深く哀悼の意を捧げます。
残された私達はその戴いたメッセージを正しく新しい未来へと生かす事を誓い祈念するものであります。
編集局記
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宗鏡寺の歴史
圓覚山宗鏡寺(通称沢庵寺)は、 出石町東北、入佐山にあり、開山は京都五山の一つ東福寺の大道一以 (だいどう いちい) 禅師でした。
代々、出石城主の菩提寺でありました。
開基は1392年に、当時の出石城主で山名陸奥守氏清公によって、建てられました。寺名は氏清公の法名「宗鏡寺殿」を 以って名づけたと伝えられます。
当寺は、山陰唯一の伽藍を誇っていましたが、織田信長の但馬征伐で山名家が滅び、寺もまた荒廃したのです。
1616年、小出吉英の援助の元、沢庵和尚を招き、再興されました。
(沢庵和尚紫衣事件は1629)
以来、京都紫野大徳寺派の但馬における中本山として、現在に至ります。
本来、出石出身の沢庵は才に長けて京の都大徳寺でも精進して注目を浴びる存在でしたが、再び故郷へ呼び戻された訳ですね?
それ故、沢庵和尚は開山…寺院を開いた第一世住持。 開基…寺院を創建した人物…となりました。
沢庵和尚の故郷の寺であることから「沢庵寺」と呼ばれ、
人々に愛されるのです。
さて、もう一度沢庵和尚の
数奇な人生を辿ってみましょう!
沢庵和尚は、天正元年(1573)12月1日出石城下(現:兵庫県豊岡市出石町))に生まれました。
父は出石城主・山名祐豊(やまなすけとよ)の重臣・秋庭能登守綱典(あきばのとのかみつなのり)で、和尚8歳の時、山名家は羽柴秀吉に攻められて滅亡、父は浪人となりました。
その2年後、出石浄土宗の唱念寺(浄土宗)で出家し春翁と称しました。
14歳の時、出石藩主菩提寺・宗鏡寺(禅宗)に移り、希先西堂の弟子になり名を秀喜と改めました。 19歳(1591)の時、希先が死去したので、翌文禄元年(20歳)に時の出石藩主・前野長泰の招きで京都の大徳寺から董甫宗仲(とうほそうちゅう)が住職に任じました。
宗忠は大徳寺住持の春屋宗園(しゅんおくそうえん)の弟子で、この時以来、大徳寺との関係が生まれました。
1604年、沢庵和尚33歳の時、一凍紹滴の印可を受け、
「沢庵」の号を授かる。
22歳のとき董甫が京都へ帰るのに従って、大徳寺塔頭三玄院に入り、そこで春屋宗園について、宗彭(そうほう)と名を改めました。
28歳の時、董甫が死去したのを機に京都を去り、堺に出て、大安寺に寓居していた建仁寺派の学僧文西西堂について、儒学、詩歌を学びました。
そして29歳の時、文西が死去し、同じ堺の南宗寺陽春庵にいた一凍紹滴(いっとうじょうてき)の許に入り、33歳(1604年)の時、一凍の印可を受け沢庵の号を授かりました。
宗鏡寺には花びらが開かないうちに落ちてしまうと言われる不思議な「椿」がございます。
その昔、出石城主の側室が、世継ぎを産む必要がなくなったため、庵に幽閉されました。
庭先の椿をじっと見つめながら過ごしていましたが、さびしさや嫉妬のあまり、とうとう自害してしまいました。
その後、椿は毎年花はつくが、花びらが開かないうちに落ちるようになったと言われています。
このことから、「開かずの椿」、「側女椿」、「咲かずの椿」などと呼ばれています。
宗鏡寺の境内
宗鏡寺(沢庵寺)の山門。
永らく出石の町を見守ってきました。
城下町から徒歩約10分。坂を上ってきますと山門が見えて参ります。
本堂
御本尊は釈迦如来を御祀しております。
本堂向かいの庭園は兵庫県指定文化財記念物に指定されております。
新緑や、紅葉など季節の移ろいを一層、感じさせてくれます。
開山堂
豊岡市指定文化財の開山堂。
開山堂では大道似禅師を御祀しております。
坐禅道場
松下幸之助氏寄進の坐禅道場。
宗鏡寺では坐禅会、および坐禅体験をこちらの道場でおこなっております。
夜も更けてまいりました。
圓覚山宗鏡寺(通称沢庵寺)境内のご案内は、今、丁度半分なので残りは次号に・・・
沖縄・九州地方の皆様は、南方で「台風第9号」が発生し近づいて来ております、くれぐれもお気を付け下さい!
続く・・・
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(敬称略)
圓覚山宗鏡寺 〒668-0217 兵庫県豊岡市出石町東條33 電話 0796-52-2333
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