かめびし屋とは
~伝統の魂を守る老舗醤油屋~
宝暦三年(1753)の創業以来、古来の伝統である「むしろ麹製法」を頑に守り続けてきた醤油屋。昔ながらの蔵から産まれる天然長期熟成に拘り、二〜三年の歳月をかけて発酵熟成させた、深い旨みと、まろやかな味わいが特徴です。
かめびし醤油の名称は歴史が古く、氏神様が鎮座される亀山の「かめ」と醤(ひしお)から取ったといわれています。
一方、根本の伝統を守りつつ温故知新…時代のニーズに応える商品開発にも力を入れており、醤油をプリーズドライしたソイソルトは国内にとどまらず、海外への進出と共に、ショップでは醤油の味見や、御購入も勿論、醤油を使ったお菓子 "しょうゆあられ" や醤油スウィーツなど色々とご用意しております。
かめびし茶屋では、自慢の醤油を使った「醤油うどん」、もろみソフトクリーム、醤油スウィーツのみたらし団子などが楽しめたり、しかし…何と言っても此処だけの話・・・言っちゃいましょう!
それは…その〜…「もろみうどん」や、土日には本格窯で焼く醤油ピザでありました〜 ‼
かめびし茶屋では、自慢の醤油を使った「しょうゆうどん」、もろみソフトクリーム、みたらし団子など醤油スウィーツが楽しめたり、何と言ってもここだけの「もろみうどん」や、土日には本格窯で焼く醤油ピザなどお薦めしたいですね!
更にです ‼ 取って置きの魅力とは…座敷の空間を彫刻家・流政之氏が改修した昭和の商家風「流ワールド」そのもの ‼
建物自体も、国の登録有形文化財の指定を受けた大変趣があるものであります。
当に五感がフルに刺激され、これ以上の高揚感が一体何処にあろうか ⁉
さてこの度、奇跡的タイミングで、世界デザイン博覧会やJR岐阜駅前広場の環境ディレクターを務められた林 英光氏が、偶々、現地を訪問されたので、早速、その御感想を頂戴しました。今日は何だかツイてるな〜 ではお楽しみに・・・露払い編集局より
~赤壁の町を訪ねて~
伝統的な白黒グレー自然色の町並みに、突然赤い壁の一角が現れる。私的には別にそれほど違和感はなく、美しい日本の伝統の一端であると素直に思った。全国各地にある土蔵などの白壁の窓などに、部分的にベンガラ色やピンクや金色などが美しく使われている例を好ましく見ており、ここ引田はその延長の大胆な好例である。
赤い壁の門をくぐると中庭は白黒グレーの空間が広がる一方、赤一色の可愛らしいショップ内部や、内庭側も見事に赤で、案内して下さったリビングは、世界的アーティスト流政之氏のデザインで、二百数十年の伝統と久しぶりに見る日本人が忘れていた、格調あるインターナショナルデザイン空間に満足した。そこから見る庭の緑の植え込みにも赤壁が活きている落ちついた上質な風景である。
私が学生時代お世話になった画家でデザイナー氏は、流政之氏の友人であり、「流は本当にキザの代表だよ」と言っていた60年前のイメージが蘇り、この空間に休ませて頂いて改めてそのお人柄と才能に触れた思いであった。
環境ディレクターを自称する立場から、今後の町並みのあり方についてであるが、出来れば川を渡る時に見える景観の、水門の構造物や一般の建物にも少し配慮すれば、山も川も海もさらに美しく見え、素晴らしい町の風景になると思う。また格子の花飾りや素朴なイラストにも好感が持てた。
ここから橋を渡り誉田神社?へ続く角地の説明板の足元に、現業を思わせる赤い樽の配置も建物の関係性がとても良い。 引田の町並みは伝統的な白壁と黒い瓦屋根であるが、大胆な赤の壁は決して不調和ではなく、そのメリハリがあってこそ美しい。
日本広しと言えど、大胆さと繊細さが同居する町並みの例は少なく、新しい店舗や看板の丁寧な色彩のコントロールを進めるだけでも夢が広がる、また訪れたい町である。
林 英光
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いま世界的に新型コロナパンデミックの真っ只中ですが、日本ではこれに追討ちをかけるように、7月初旬には「令和2年集中豪雨」と命名された災害で熊本県や岐阜県において沢山の方々が犠牲者となられ、大きな被害を蒙ったばかりです。
この度は9年前の東日本大震災において未だ復興途上にある三陸地域のニュースをお届けするに当たり、改めて犠牲となられたすべての方々へ謹んで哀悼の意を捧げるものです。
合掌
編集局記
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かめびし屋
伝統製法 むしろ麹
かめびしは、宝暦三年(1753)の創業以来、頑ななまでに「むしろ麹法」を守り続けてきた日本で唯一の蔵元です。
麹は、生き物として扱う
昔から醤油づくりにおいて言われてきた言葉で、 「一麹(こうじ)、二櫂(かい)、三火入れ」というものがあります。
醤油づくりにおいて、麹がもっとも重要とされるという意味です。
むしろ麹法の『むしろ』とは、 藁(わら)やイグサなどの草で編んだ敷物の事です。
むしろに麹を寝かせることで、水分が調節され、 麹はいつも適度な湿度で保たれます。
むしろで仕込んだ麹は機械で造った麹とは全く異なり、 生き生きとしています。
生き物として愛情をかけて育ててこそ、本来の持ち味が生まれます。
数字には表せないものの、機械には出せない味が確かにあります。
一日目
盛り込み
大豆 … 一晩(約17時間)水につけてから蒸し、適温まで冷ます。
小麦 … 200℃前後の高温で炒り荒く研ぎ貯蔵する。
種麹 … こうじ菌を小麦に加える。
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大豆に小麦とこうじ菌がまんべんなく付く よう混ぜる。
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むしろの上に広げ均一にならす。
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特殊な構造を持つ木造2階建ての室内で、簀、むしろ、麹の順に10~14段に重ねて、4日間かけて麹を育てます。
むしろ180枚全部を使用しても機械法の約半分しかできません。
・麹(こうじ)…蒸らした大豆+炒って砕いた小麦+こうじ菌
・筵(むしろ)…わらで編んだ1畳ほどの敷物
・簀(す)…竹をわらで編みつないだもの
二日目
手入れ
すべての麹をむしろから落として混ぜ返し、再度むしろに寝かせる。
三日目
伏せ込み
窓の開閉で温度調節をします。
四日目
出麹
麹を部屋から出し、塩水を加えてもろみ蔵の桶へ。盛り込みから出麹の期間は、職人が泊りがけで温度管理をします。
築後数百年以上経つ醸造蔵の杉桶※に仕込み、こいくち醤油では、丸2年、丸3年、20年以上もの歳月をかけています。古い蔵には約230種類もの独自の酵母菌が棲みついており、微生物の力で大豆の旨みがゆっくり引き出されてゆきます。
※醤油、味噌、酒に使用する桶は昔から杉板の板目使いをします。檜・高野槙・椹(さわら)・明日桧・ラオス檜(古代檜とも万葉檜等とも呼ばれています)の風呂桶のように柾目使いをすると木に滲みこんでしまうためです。昔の人たちは木の適材適所をよく知っていました。これももとはと言えば、スサノオノミコトのお陰かな・・・
パッケージデザイン
流政之氏によるパッケージデザイン
蔵元直売「かめびし もろみ醤油」ラインナップ
流政之氏がパッケージデザインを手がけた、「かめびし もろみ醤油」。
40年以上のロングラン商品で、今でも人気です。
もろみ醤油は、醤油の中にもろみを残している珍しい醤油。
さしみ・ステーキのたれ等、醤油の風味をダイレクトに味わうメニューにどうぞ。
空いた徳利は、花瓶やダシ入れに。
かめびし屋ご案内
流政之 アートワールド
ゲストルーム
ガラス窓の外に見えるのはかめびし自慢の中庭です
かめびしの名にちなみ亀をあしらった隠し釘
1753年創業の時に使った貴重な道具類
彫刻家 流政之(ながれ まさゆき)によってデザインされたゲストルーム。
元は畳が敷かれていたお座敷、床の間、控えの間だった場所を、1960年代に流政之氏指導のもと、明治の商家風に改築しました。畳の部分を一部残し、あとはタイル張りの土間に作り変えました。障子、ふすま、欄間等を取り除き、ガラス窓を入れ、外は石畳を新しくしましたが、その他は庭を含め、1753年創業以来のままの状態で保存しています。
彫刻作品
2011年に、かめびしのお隣「井筒屋敷内」(前号にてご案内)に、ミカゲ石の彫刻「まちこまた」が立ち、彫刻にくっついている瓢箪にふれると福が訪れる、とお賽銭を置いていかれる方もおられ、今では東かがわ市のシンボルになっています。流政之氏は、引田の街の人々の心に光をあて、誇りを取り戻そうという想いを彫刻に込めました。彫刻は粋な女の色っぽさや、こまたのきれあがった粋な女の艶を表現した作品で、そこに刻まれている手袋は地元の名産品を、瓢箪は末広がりの縁起物をそれぞれ表しています。
川島 猛 アートワールド
伝統的な素材とモダンデザインとの調和
2階は、壁紙・床・家具まで全て川島猛氏の手によるもの。
1階は蔵の雰囲気を残しながらモダンな空間。
1階は創業当初からの醤油づくりの道具類を展示。
現代アーティスト 川島 猛氏は、1860年頃に出来た蔵を彼の作品のひとつとして取り組みました。古い伝統的な空間に、川島猛氏独特のモダンな雰囲気がどう調和するのかが今回のテーマだったようです。個々の要素はそれぞれ個性的なものにもかかわらず、何故か悠久の時を感じさせる空間となっています。
パッケージデザイン
川島猛氏がパッケージデザインを手がけた、「かめびし生しょうゆ」。
モダンなデザインと色遣いが魅力で、ギフトにもおすすめです。
醤油は普通、火入れをして発酵を止めますが、生しょうゆは搾ったままの醤油を火入れをせずに詰めたもの。火入れをした醤油にはない独自な香りとやわらかい口当たりは、他の醤油では味わえません。
伝統的素材とモダンデザイン融合
「海外の事例」
パリ「オルセー美術館」
ご覧のように、一見、老舗かめびし屋の外観デザインにはかなり大胆な印象を受けますが、玄関口から内側に入ると、母屋の座敷、庭園、そして付設のショップやお休み処に置かれた商品の質やパッケージに至る迄、高度なデザインポリシーに貫かれておりますね〜
伝統的なその風格は、素材となる「木」と無駄のない線を生かしたモダンデザインの軽快性を見事に融合させた"和の美" がテーマとなっています。
それに対して海外では、19世紀の作品を集めた美術館パリのオルセー美術館が好対照の事例でしょうか?。
デザインは、イタリアの女流建築デザイナーのガエ・アウレンティ女史です。
伝統素材の「石」と構造材となる鉄骨を軽快に活かしたモダンデザインを美しく融合させ、同時に、パリ万博開催のために造られた駅舎、その後ホテルに変わった当時の想い出や人々の郷愁を空間に表現しています。
本日は残念ながら文字数限界のサインが出ておりますので、この辺りにて・・・しかし、まだまだ「かめびし」並びに「東かがわ市」につきましては、ご紹介したいと思うことが沢山あり過ぎます。続きは次号にてご紹介させていただきます。
続く・・・
それぞれの「匠」関連情報を下記のリンク記事にてご覧ください。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 徳川家康も好んで飲んだと伝わる 尾張最古の銘酒『荵苳酒』と犬山の見どころ!
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7686814
ZIPANG-4 TOKIO 2020 氷点下15度の温もり 飛騨の酒 ❝ 蓬莱 ❞「蔵元の隠し酒」とは!?
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7745544
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
株式会社かめびし 〒769-2901 香川県東かがわ市引田2174 電話番号 0879-33-2555
林 英光 環境デザイナー 愛知県立芸術大学名誉教授
香川県 東かがわ市
〒769-2792 香川県東かがわ市湊1847番地1 地域創生課 TEL 0879-26-1276
東かがわ市観光協会
〒769-2792 香川県東かがわ市湊1847番地1 TEL: 0879-26-1276
公益社団法人香川県観光協会
〒760-8570 香川県高松市番町四丁目1番10号 電話番号:087-832-3379
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